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『肩、貸すよ』
そこまで歩ける?
入学式、という緊張もあって
どうすればいいんだっけ。
一番しっかりしなきゃいけないのに
何も出来なくて。
『あの、大丈夫ですか?』
そう声をかけてくれたのは
彫刻みたいな彫りの深いイケメン。
どこかの国の王子様みたいに
スーツを着こなしていて。
どこに売ってんだ、ってオシャレな小物で。
さっきまで掛けていたであろう
サングラスが胸のポケットから見えていて。
怖い人かと思ったけど、
大丈夫ですか?と言ってくれた目は
すごく優しかった。
『ちょっとネクタイ緩めますね』
声を掛けてから、ネクタイを緩めて、
シャツのボタンをパチンパチン、と外す。
慣れた手つきで……。
一瞬の出来事で、止められなかった。
少しぐったりとしてベンチに凭れる智くんも
隣でそれを見ていた俺も。
その手を止められず、そのイケメンは。
ゴクリ、と固唾を飲んだ。
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作者名:さとか | 作成日時:2018年8月23日 21時