その監督生、よく落ちる。【ツイステ】 (ページ9)

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気味が悪いページ9

Ace side

正直、気味が悪かった。

本心からとは思えない笑顔も

普通だからといって、簡単に落胆に変えられる感情も。

きっと、役者とかだったら普通なのかもしれない。

けど、俺はこいつが怖かった。

エース「…えっと、なんかごめん。」

からかったことへの謝罪ではない。

なんと言うか、俺がこいつの感情をねじ曲げてしまった気がして

思わず出た言葉だった。

『…大丈夫、トラッポラは何も悪くないじゃん。』

エース「いや、そうじゃなくて…」

グリム「ふな"～ッ！！もう我慢の限界なんだゾ！」

俺の言葉をさえぎって、グリムと呼ばれていた狸がAの腕の中から飛び出した。

さらっとファーストネームで呼んでるけど、いいよな。

飛び出した狸は、俺に向かって昨日入学式で見せた炎の魔法を放った。

となればもちろん、俺の前にいるAにも被害は及びそうになるわけで。

エース「あっぶなッ！？」

瞬時に昨日支給されたマジカルペンを取り出し

得意の風の魔法で炎の矛先を逸らした。

エース「おい、火傷してねぇか！？」

『うん、大丈夫だよ。』

怖くもなんともない。そんな顔。

だけど、これだけはなぜだか偽物に思えなかった。

エース「…お前、ホント…」

グリム「ふな"～！無視してんじゃねぇんだゾ！」

Aの方を見ている間に、グリムが再び炎の魔法を放った。

まぁ、風の魔法で逸らせばいいんだけどさ

生憎、俺はまだピカピカの1年生なわけよ。

…そりゃ、魔法のコントロールは少しばかり拙いわけでね。

逸らした炎は、ハートの女王の石像を焼き始めた。

エース「あ"ッ！！やべぇ！

ハートの女王の石像が黒焦げに…！」

グリム「お前が風で炎をそらすからだゾ！」

『あーあ、やっちゃったねぇ。』

クロウリー「こらー！！なんの騒ぎですか！！」

すぐさま学園長が飛んできては、炎に包まれる石像を見て絶句していた。

その間に逃げようとしたらアイノムチとやらで叩かれるし…

つーか、グレート・セブンの像燃やしたとか退学ものじゃね…？

『学園長、ごめんなさい。』

エース「いや、なんでお前が謝るわけ。

お前なんにも悪くない…あぁ、もう。」

クロウリー「君、学年と名前は？」

エース「エース・トラッポラ…1年デス。」

クロウリー「ではトラッポラくん、ソリトゥスくん、グリムくん。

3人には罰として、窓拭き100枚の刑に処します。」

エース「えぇ！？」

クロウリー「文句を言わない！

3人とも、放課後に食堂に集合ですよ。」

あぁ、マジで散々なんだけど！