その監督生、よく落ちる。【ツイステ】 (ページ8)

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教えてください。ページ8

「俺はエース・トラッポラ。よろしく。」

どうやら、テラコッタ髪はこういう名前らしい。

返すように私も名乗ると、「知ってる」と言って笑われた。

…何となく、胡散臭い。

グリム「グレート・セブンって何なんだゾ？」

ようやく、といった様子でグリムが声を発した。

エース…ファーストネームは失礼か。

トラッポラがグリムにグレート・セブンについて説明してくれた。

ごめんトラッポラ。あまりに興味なくて聞いてなかった。

だけど、一応お礼は言っておかないと。

『そうなんだ、ありがとうトラッポラ。

凄いね、グレート・セブンって。』

聞いてなかったけど。

エース「クールだよなぁ……どこかの狸と違って。」

グリムに嫌な視線を向けながら、トラッポラはそう放った。

と思えば、僕とグリムを見て笑いだした。

ほら、やっぱり胡散臭いでしょ？

エース「クッ…ハハハッ！！あーもう我慢できねぇ…！

お前らあれだろ？

闇の鏡に居場所がない宣告されたカワイソーな奴と

呼ばれてもないのに乱入してきた狸！

ちょっとからかってやろうと思ったけど

もう笑いこらえんの無理だわ…！

つーか、グレート・セブン知らないとか

非常識過ぎるでしょ。」

グリム「何だと！？お前…！」

『グリム』

今にもトラッポラに飛びかかりそうなグリムに静止の声をかける。

昨日の掃除の時の脅迫が余程聞いているのか

電源を抜かれた機械のように動かなくなった。

その隙にグリムを抱きかかえ、トラッポラに近づく。

『そんなに常識的な事だったんだね。

僕、本当に無知だから教えてくれて助かったよ。

ありがとう、ごめんねトラッポラ。』

いつも通り、表情筋を動かしてトラッポラに笑いかけた。

これでいい。これが正解なんだ。

非常識を教えてくれた人に笑顔でお礼を言う。

これが、普通。

エース「…お前、感情ねぇの？」

『…え。』

エース「こういう時って、大体落ち込むか怒るかだろ普通。

なのに笑顔でお礼って…おかしいだろ。」

まただ。あの時と同じ。

貼り付けた仮面が壊れそうになった。

これが普通じゃないの。

落ち込む…怒るって…

そんなことしても、無意味で

相手の神経を逆撫でするだけなのに？

でも、それが普通だと言うのなら

エース「ってか、昨日から思ってたけど

お前の笑顔、なんか気持ち悪…って、どうした！？」

『え…だって、落ち込むのが普通なんでしょ？』

自分の瞳から、涙が1つ2つと流れる。

任せてよ、自分の感情を操作するのなんか容易いんだから。

ほら、落ち込んだよ。