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切り札の逆鱗 ページ48

リドル「フン。五秒もかからなかったね。

その程度の実力で、よく僕に挑もうと思ったものだ。恥ずかしくないの?

やっぱり、ルールを破る奴は何をやってもダメ、

お母様の言う通りだ。」


首輪をつけたエースとデュースを、愉快そうに見つめながらそう言った。

僕に言われた言葉じゃない。そう分かっているのに

頭が、痛くなった。


デュース「…確かにルールは守るべきだ。

でも、無茶苦茶なルールを押し付けるのはただの横暴だ!」


リドル「はぁ?ルールを破れば罰がある。

そして、この寮では僕がルールだ。

だから、僕が決めたことに従えないやつは

首をはねられたって文句は言えないんだよ!」


また、エースに怒られるかもしれない。

トレイ先輩に、ケイト先輩に

怒られるかもしれないけど、だけど

流石に、二人にここまで言われて黙ってはいられない。


『ルールだからって、何をしてもいいわけじゃないだろ!

そうやって、わけのわからないルールに従って

重い罰を加えて…自分が孤立していってるのがわからないのかよ!』


トレイ「A…」


リドル「罰則もないルールなんか、誰も従わない!

そんな簡単なことも分からないなんて、君は一体どんな教育を受けてきたの?」


『え…』


リドル「どうせ、大した魔法も使えない親から生まれて」


痛い。


リドル「この学園に入るまで、碌な教育も受けられなかったんだろう。」


頭が、心臓が


ケイト「ちょ、リドルくん…!」


リドル「親に恵まれなかったんだね、実に不憫だ。」


『……痛い。』


否定したいのにできない。

いや、本当に否定したいのかもわからない。

苦しい。息が詰まる。呼吸ができない。

息苦しい。生き苦しい。誰か……


デュース「テメッ…!」


エース「ふざっけんなよ!!!」


リドル「えっ……!?」


僕の見間違いでなければ、今エースは

ローズハート先輩を殴った…のだと思われる。

思考が纏まらない。あいつ何してるんだ?

でも、どうしてだろう。

僕は、異常なまでに安心している。

こんなの、普通じゃない。


『エース…何、して…』


エース「あー…もういい。

寮長とか、決闘とか、どうでもいいわ。」


リドル「痛……え?僕、殴られた…?」


エース「子供は親のトロフィーじゃねぇし、子供の出来が親の価値を決めるわけでもないでしょ。」


まただ、エースの言葉はどうしてこんなにも暖かい。

僕宛てじゃなくてもいい。それでもいいくらい

その言葉は、僕が一番望んでいる言葉だった。

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れぃと(プロフ) - 続編移行の部屋がめっちゃ好きッスわwww (2021年8月2日 3時) (レス) id: 40283c6b11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/  
作成日時:2020年12月30日 22時

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