正直者の心 ページ45
『ただいまぁ〜…』
購買部で買ったもので両手がふさがっているので
足で扉を開けたら、少しほこりが落ちてきたしヤバい音がしたのは置いておく。
エース「おっかえり〜…って、何その大荷物。」
デュース「随分と買い込んだんだな…貸してくれ、キッチンまで運べばいいか?」
『ありがとうデュース、大丈夫…』
デュース「お前はもう少し人に頼ることを覚えろ。ほら。」
遠慮する暇もなく、持っていた袋を奪われ
デュースはそのままキッチンに向かってしまった。
…仕方ない、お言葉に甘えよう。
ということで、僕は手ぶらでキッチンに向かった。
デュース「…っと…ここに置いておくな。」
『ごめんね、デュース…運ばせて。』
デュース「前も言ったが、慣れているから大丈夫だ。
…A。」
『ん、何?』
両手を塞いでいた袋を下ろしたデュースと、視線が交わった。
エースほどじゃないけど、とても暖かい視線。
…僕が、昔一番浴びたかった視線。
デュース「僕はエースみたいに上手くお前に言葉はかけられないし
お前の事を、理解してやれないかもしれない。
けど、お前が嫌だと思うことは絶対にしないし言わない。
もしそんなことをしてしまったら、容赦なく僕を殴ってくれ。」
『え…殴らないよ…急に怖いなぁ。』
デュース「…そう、誓うから
エースだけじゃなく、僕にも頼ってほしい。」
『それは、優等生だから?』
デュース「…そうだな、それもある。
が、一番はAへの恩返しがしたいんだ。」
『恩返し…?』
迷惑をかけた覚えなら死ぬほどあるが、返されるような恩がある覚えはない。
とはいえ、デュースが妙な冗談を言うようには思えない。
頑張って思い出そうと唸っていると、目の前のデュースから笑い声が聞こえてきた。
その声は、優等生というより…無邪気な子供みたいで。
デュース「一緒に購買部に行ったときに言ってくれただろ。
「全部我慢するだけが優等生じゃない。ダメなことは叱るべきだ。」って。」
『あぁ…そういえば。
それが、僕がデュースに与えた恩…なの?』
デュース「…きっと、Aは何でもなく言ったのかもしれないが
僕は、なんだか吹っ切れたような気がしてたんだ。その言葉を聞いて。」
だから、ありがとう。__と、それだけ言ってデュースはエースたちのところに戻っていった。
デュース、違うんだ。
僕は、なんでもなく言ったから忘れてたわけじゃない。
あれが、僕の本心なのかわからないから。
あれを言ったのが僕なのか、わからないだけなんだよ。
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れぃと(プロフ) - 続編移行の部屋がめっちゃ好きッスわwww (2021年8月2日 3時) (レス) id: 40283c6b11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/
作成日時:2020年12月30日 22時