その監督生、よく落ちる。【ツイステ】 (ページ5)

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不本意な思考ページ5

『…猫ちゃん、お名前は？』

「猫じゃねぇ！

俺様には、グリムっていうかっこいい名前があるんだゾ！

いつか大魔法師になる名前だから、覚えておくんだゾ！」

『そっかぁ、よろしくねグリムちゃん。

あと、僕今すごぉく不機嫌だからぁ…

黙ってくれないかな。』

グリム「…ひッ…お、お前なんか怖ぇんだゾ…！？

さっきまでニコニコだったのに、無表情で…」

『…はぁ、僕はねぇ…猫派だけど猫嫌いなの。』

グリム「意味わかんねぇんだゾ！？」

この居場所とやらを借りるためには、この猫…グリムと一緒に暮らさなくてはならないのだろう。

そうなれば、自分を嘘で塗りたくっていても

いつかボロを出すのはわかりきっている。

なら、最初から隠さなければいいのだ。

『…とりあえず中に入ろうか。

もう、笑顔でいるの疲れたし。』

グリム「うぅ…もうお先真っ暗な予感しかしないんだゾ…」

不服そうなグリムを引き連れ、廃墟の中…なんか自分の住まいを廃墟って言うの嫌だな。

うーん…オンボロ寮とかでいいや。

オンボロ寮の中に足を踏み入れた。

内装を見て、再び廃墟と言おうとしたことは黙っておこうと思う。

グリム「完っ全に廃墟なんだゾ…」

『私だって言わない様にしたんだから言うなよグリム。』

所々に張られた蜘蛛の巣。

今にも抜けそうな音のする木造の床。

風通しが良すぎるのか、やけにうるさい隙間風の音。

それらを見て、「あぁ、まずは蜘蛛の巣と埃をどうにかしよう。」と

冷静に判断できる頭が嫌だった。

『……』

グリム「ん？どうしたんだゾ？」

『…なんでもないよ。とりあえず掃除しよっかグリム。』

途中サボろうとしたグリムを何とか説得(脅迫)しつつ、掃除は終わらせた。

床の修繕とかは、今すぐできることじゃないし

明日にでもあの学園長とやらに相談しに行こう。

そう思い、とりあえず何があるかだけでも確認しようと

館内を歩き回った。

時々、視線を感じながら。

『…僕、霊感の類はないと思うんだけどな。』

グリム「そんなことよりお腹空いたんだゾ！

A、なんか無いのか？」

『ちょっと待って、君に名乗ったっけ？』

グリム「あの闇の鏡とやらに名乗ってたじゃねぇか。」

『あ、そういえば…』

あの場にグリムもいたことをすっかり忘れていた。

正直、それどころじゃなかったのもある。

…そういえば

『あのテラコッタ髪のやつ…なんであんな顔してたんだろう。』

まぁ、どうでもいいか。