その監督生、よく落ちる。【ツイステ】 (ページ40)

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暴君の事ならページ40

エース「…何すんの。」

『なんとなく。…エースこそ、どうしてそんなに僕を笑わせたいの。』

エース「…なんとなくだよ。」

『そっか…ふふっ、なんとなくかぁ。』

エースの体温が、なんとなくの必死さが

僕の知っている何よりも暖かくて、思わず笑みがこぼれた。

エースって、やっぱり変だな。

エース「ってか、お前目覚ましたなら早く自分で立てよ。

いつまでそいつに抱えられてるわけ。」

『え、あぁ…ごめんなさいチェーニャさん。』

エースに言われてハッとした。

初対面の人(？)に抱えられているとかいうこの状況。

普通に考えてエースを抱きしめてる場合じゃない。

すぐさまチェーニャさんから離れ、グリムを抱えてエースの隣に立った。

いつもの位置だ。落ち着く。

チェーニャ「大丈夫にゃあ。

そういえばおみゃー…さっきリドルを暴君って言っとったにゃあ。」

エース「あぁ…言ったけど。」

チェーニャ「リドルが暴君…まぁ、そう言えなくもないかもしれないけどにゃあ。」

『随分と含みのある言い方をしますね。

というか、赤髪さんのこと知ってるんですか。』

チェーニャ「ちっこい頃からアイツは真面目な奴だもんで…フフフ。」

デュース「何か知ってるのか？」

チェーニャ「知っとると言えば知っとるし…知らないと言えば知らにゃあ。」

グリム「どっちなんだぞ。」

掴めない人だ。喋り方といい、はっきりと断言しない話し方。

本当に猫みたいな人だ。人なのかもわからないけど。

チェーニャ「なあにぃ？君ら、リドルについて知りたぁの？」

エース「あぁ知りたいね！

どうやって育てりゃ、あんな横暴に育つのか。」

チェーニャ「それじゃあ、あの眼鏡に聞いてみにゃあ。」

『眼鏡…トレイ先輩のこと…？』

チェーニャさん曰く、トレイ先輩は赤髪さんが小さい頃から一緒…らしい。

所謂幼馴染という奴だろうか。

生憎、そんなもの僕にはいなかったからよくわからないけど。

チェーニャ「リドルについて知りたいなら、俺ならまずあの眼鏡に聞くにゃあ。」

『…トレイ先輩か。』

トレイ先輩と赤髪さんがそういう仲なら、それこそ話は聞きづらい。

だって、僕はその幼馴染を殺そうとしたんだから。

チェーニャ「…ほんなら、俺に聞く必要はないにゃあ。ほいじゃあ。」

デュース「お、おい！」

チェーニャ「あ、そうだ。A、トレイはまだわかってないんじゃにゃーの。」

『え…』

チェーニャ「おみゃーが…善人なんかじゃないってこと。」

その言葉を最後に、チェーニャさんは姿を消した。