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殺意の塊 ページ37

Ace side


また、だ。

またアイツのスイッチが入った。

ハーツラビュル寮内で、あろうことかその長の胸ぐらを掴むオンボロ寮生。

どうみたってアイツが悪者。

だけど、アイツがそれを理解できるほど冷静じゃないのは俺でもわかった。


リドル「ッ…!?君、いったい何をしているのか…!」


トレイ「リドル!A、やめるんだ!」


きっとあいつは、トレイ先輩の声すら聞こえてない。

止めないとまずい。それは分かっているはずなのに

なぜか体が動かない。

俺に向けられていないはずのAの殺意が、恐ろしくて仕方がない。


『強者は弱者の事のなんぞ見ようともしない。

だって理解しようとしないから。その結果に至るまでの努力を、一切!

それが弱者にとってどんなに辛いことなのか知らないだろ!!』


リドル「な、何を言っているんだい急に…」


ケイト「ちょっとこれマズくない!?」


Aの寮長の胸ぐらを掴む力が強くなっていく。

と思えば、その勢いのまま寮長を地面に押し付け

妙なところで冷静なのか、空いている方の手で寮長の持っていた杖を遠くへ放り投げた。
 

『そうやって、当然のように弱者の努力の成果を踏みにじる…!

だから、僕は強者が…お前が大っ嫌いだ!!』


リドル「ッ…くっ…ぁあ”……かはッ…!?」


寮長の胸ぐらを掴んでいた手にかかっていた力が

寮長が押し倒されたことで、下向きに変わり

寮長の首を圧迫し始めた。

これは、流石に止めないとまずい。

殺意が怖いだなんだと言っている場合ではない。


リドル「あ"ぁ”ッ…や"、め…ト、レイ…たす…け…がッ…!!」


トレイ「A!!やめろ!!」


エース「さすがにそれはやりすぎだっての!!」


未だに恐怖に侵された体を無理やり動かして

寮長の体をものすごい力で地面に押し付ける小さな体に触れようとした瞬間だった。


『…ッ!?』


寮長の上に跨っていたAの意識が、眼に見える干渉なしに

急に無くなり、寮長の上で気絶した。

と、思えば突如としてAの体が宙に浮きあがり

そのままパーティ会場の外へ…って、これ見てていいやつじゃなくね!?


エース「ちょ、あれ普通にヤバいだろ!?

あぁ、もう何なんだよ…!」


デュース「とりあえず追うぞ!

先輩方、失礼しました!」


リドル「…ッハァ…けほっ…!い、いったい何なんだ…」


トレイ「……A、お前は…」


Aを追うように、パーティ会場を飛び出した。


リドル「……」


寮長の、完全に怯え切った視線を浴びながら。

猫が虚を攫う→←強者嫌い



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れぃと(プロフ) - 続編移行の部屋がめっちゃ好きッスわwww (2021年8月2日 3時) (レス) id: 40283c6b11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/  
作成日時:2020年12月30日 22時

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