その監督生、よく落ちる。【ツイステ】 (ページ33)

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真実を告げるページ33

デュース「この卵はなァ、ひよこになれない代わりに

美味いタルトになる予定だったんだぞ！！

わかってんのか、えぇ！？」

「き、急に何だこいつ！？」

デュース「卵6個分。弁償しねぇっつうなら

6発てめぇらを吹っ飛ばす。」

『ちょ、デュース落ち着いて…』

デュース「歯ァ食いしばれやゴラァ！！」

僕の静止の言葉が届くはずもなく、デュースによって先輩たちは吹っ飛ばされていた。

それも、6発どころじゃなく。何回も。

食堂でやらかそうとした僕が言えた立場ではないが、ちょっとヤバかった。

気づいた頃には、先輩たちは悲鳴を上げながら逃げてしまっていた。

デュース「今度卵食う時は100回謝ってから食え！ダァホが！！」

『お、落ち着けぇ…？』

デュース「…あ……やっちまった…！

今度こそ…絶対、絶対優等生になろうと思ってたのに…！」

デュース曰く、彼はここに来る前はものすごく荒れていたらしい。

それとなく片鱗はあった気がするが、まさかここまでテンプレな不良だとは思わなかった。

デュース「でもある夜…俺に隠れて泣きながら婆ちゃんに電話してる母さんの姿を見ちまったんだ。

母さんは何も悪くねぇのに…自分を責めて…悪いのは全部俺なのに！

だから、名門ナイトレイブンカレッジから迎えの馬車が来たとき

すげー喜んでくれた母さんを、今度こそ泣かせないって決めた。」

『だから…優等生になろうとした…ってことか。』

親を喜ばせたいという気持ちは、少なからずわかるところではある。

だけど、僕の場合は少し違った。

僕は…両親に……いや、今は良いか。

『でも、全部我慢するのが優等生なのかな。』

デュース「え…」

『ダメなときはちゃんと怒るのも、優等生ってやつなんじゃないの。

やりすぎは、ちょっとあれだけど。

って、僕が言えた話じゃないか…あはは。』

デュース「…そっか…ありがとう。

へへっ…ひよこも安らかに成仏してくれるよな。」

『…え。』

どうしよう。この子ものすごい勘違いをしている。

流石に料理ができない僕でもわかることだが…果たして伝えていいものなのか。

いや、ここはちゃんと伝えておかないと。

デュースの将来のためにも。

『デュース、あの卵は無精卵だから元々孵らないよ…』

デュース「え、えぇぇ！？嘘だろ！？」

キッチンに戻り、トレイ先輩とエースと共に

マロンタルトを仕上げるまで、デュースは落ち込み続けていた。

デュース「俺が16年間信じてきたものは…一体。」

『ご、ごめんって…』