その監督生、よく落ちる。【ツイステ】 (ページ31)

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購買部へページ31

あれからトレイ先輩と会話が弾むはずもなく

皮をむき、裏ごしというものが終わるころには

あまりの栗の量に、トレイ先輩以外は疲弊しきっていた。

トレイ「はは、お疲れ。

あとは、このマロンペーストにバターと砂糖を加えて

最後に隠し味のオイスターソースを適量加える。」

「「オイスターソース！？」」

『え、オイスターソースって…あのしょっぱいやつ…？』

先ほど大きな声で驚いたエースとデュースが勢い良く頷いた。

そんなものを入れるのか…お菓子に。

うーん…やっぱりこの世界の常識がわからない。

トレイ「有名パティシエならタルトにこれを使わないやつはいないぞ。」

エース「でも確かに…カレーにチョコ入れたりするし…アリなのかも。」

トレイ「…ぷっ…あははっ！嘘だよ、お菓子にオイスターソースなんかいれるわけないだろ。」

エース「何だよ！本気にしちゃったじゃん！」

トレイ「ははっ！ちょっと考えればありえないってわかるだろ。」

『なんだ嘘だったのか…また僕が非常識なのかと思った。』

トレイ「ふっ…ごめんな、A。

じゃあ、進めるぞ。次に生クリームを…あっ。」

工程を進めようとしたであろうトレイ先輩の手が止まった。

どうやら生クリームが足りないらしい。

デュース「僕買ってきますよ。学内の購買部で売ってますか？」

トレイ「あの店、大体何でもそろってるから置いてると思うぞ。

ついでに他にも買い出し頼んでいいか？」

トレイ先輩がデュースに伝えたお使いの量はとても一人で持ち切れる量ではなかった。

僕も購買部には行ってみたいし、手伝いという名目でついて行こう。

『デュース、僕も行っていいかな。

荷物持ちくらいにはなるぞ。』

デュース「いや、女のお前に荷物持ちをさせるわけには…」

『…僕、そんなにひ弱くないよ。

買い物だってよく行ってたから、荷物持つのは慣れてるし。』

デュース「しかし…」

『…行きたい。』

デュース「…わかった。」

グリム「俺様も行くんだゾ！

もう粉を混ぜ混ぜするの疲れた～！」

ついでにグリムが食べたいと言っていたツナ缶とやらも探してみよう。

そう思い、三人で購買部に向かった。

トレイ「…エース。」

エース「なんすか？」

トレイ「Aって…女子だったのか。」

エース「あ、やっぱ先輩も気づいてなかったんだ。」

トレイ「通りで男にしては可愛い方だと思った…」

エース「そういうことさらっと言えるの流石っスけど

それ本人に言ったら多分怒られますよ。」