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エースの魔法 ページ24

ドンッと背中に重みがかかる。

その正体を確認するべく、思わず振り返ってしまった。

その隙に先輩たちには逃げられた。くそう。


『エー、ス…何して。』


エース「いやそれこっちのセリフだから!

お前どうしちゃったわけ!?声怖いし、眼怖いし。えっと…あぁ、もうなんか怖いし!」


何が言いたいのか、まとまっていないのだろう。

息を切らしながら、私の背中に抱きついて叫び続けている。

食堂で騒ぐと視線が…とか、私が言えた話じゃないか。


『エース…ごめん、私の…僕のせいで…エース、苦しそう。』


エース「…苦しいのお前でしょ。

ドワーフ鉱山のときですら淡々としてたお前が、あんなに取り乱すとかさ。

俺だって、あの先輩たちと同じで何にも知らないけどさぁ…

その、話くらいなら聞いてやるから。


あんま、我慢すんなよ。」


『エース…ありが…』


エース「一回聞くたびにジュース奢りね。」


『…やっぱいい。』


エース「えぇ〜話聞いてやるんだからそれくらいいいじゃん。」


『僕金欠だから…あ、そういえばこの世界って銀行ないの?』


エース「え、あるけど…学校にあるかは知らねぇよ?」


何故だろう。静かだ。

さっきまで聞こえていた声が、全部エースの声にかき消されて

凄く、頭の中がすっきりする。


エース「じゃ、そろそろ飯食いますか。

あ、そうだ…A。」


『何?』


エース「手ぇ出して。」


僕から離れて向き合ったかと思えば、僕の手を握った。

何かと思ってそのまま見ているけど…何をする気なんだろう。


エース「じゃ行くぞ〜ほいっ!」


『…!』


エースが僕の手を離すと同時に、トランプとリボンが飛び出した。

ひらひらと落ちていくハートのエースのトランプを見ながら、流れでエースに握られていた手を見ると

その中には、昨日貰ったのと同じ飴があった。


エース「おぉ〜笑った笑った。

それあげる。お前それ舐めてるときなんか嬉しそうだったから。

どう、元気出た?」


『エース…お前、魔法使えるようになったのか?』


エース「へ?なってないけど?

見ての通りめっちゃ首はねられてますけど。」


『…え、でも…今、意識してないのに表情筋に勝手に力が入って…

魔法じゃないなら…何で…』


あ、やばい。普通じゃないこと言った。

後悔したときにはもう遅いようで、この言葉が耳に入ったであろうエースは

…なぜか、めっちゃ笑って…


エース「それ、本当に楽しいってことね。

それを魔法って…ふはっ、やっぱお前非常識。」


『…そうかも。』


やばい、楽しいなぁ。

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れぃと(プロフ) - 続編移行の部屋がめっちゃ好きッスわwww (2021年8月2日 3時) (レス) id: 40283c6b11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/  
作成日時:2020年12月30日 22時

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