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門前払い ページ22

ほとんど薔薇を塗り終わった頃。

ようやく本来の目的をエースが思い出した。


エース「寮長って、まだ寮内にいます?」


ケイト「まだいる時間だと思うけど…

ところで寮長のタルトを盗んだエースちゃん。

お詫びのタルトは持ってきた?」


エース「え、いや…朝一で来たから手ぶらですけど…」


ケイト「あちゃ〜そっかぁ。

それじゃあハートの女王の法律・第53条。

『盗んだものは返さなければならない。』に反してるから、寮には入れられないな。」


また出た。ハートの女王の法律。

どうやらそれがここでの絶対的なルールのようで

見逃してしまえば、ダイヤモンド先輩も首をはねられるらしい。


『…ダイヤモンド先輩、それ知ってたんですよね。』


ケイト「ん?そうだけど?」


『…いや、先輩って死ぬほど性格悪いなぁって。』


ケイト「え〜酷いなぁ〜」


へらへらした様子だけど、多分本気でやる気なんだろう。

そして、この人に相当の実力があることも分かる。


ケイト「悪いけど、リドル君が気づく前に出ていってもらうね。」


エース「うわ、あの顔絶対本気じゃん!

ちょ、A!昨日のあのすっげぇ魔法でどうにかしてくれよ〜!」


『僕の魔法は万能じゃないから!

あの人から何を奪えって言うのさ。』


エース「えっと…ユニーク魔法とか…?」


ケイト「奪う…とか何の話してるの〜?

け〜くんも混ぜてよ!」


エース「うわぁ来た!?」


それからは早かった。

いや、ある意味長かったのかもしれないけど。

ダイヤモンド先輩にいくら攻撃しても、何故だかすぐに回復して

何度倒しても、キリがなかった。

これ以上やっても無駄だと判断し、エースとデュースの首根っこを掴み

グリムはちょっと説得(脅迫)してハーツラビュル寮から出た。


ケイト「じゃあ、またタルト持って出直してきてね〜ばいば〜い。」


 


 


『タルトがないと門前払い。

最初からエースは何も持ってなかったのに…』


エース「薔薇塗らせるだけ塗らせたってことかよ…クッソ、ちゃっかりしてんな…」


デュース「仕方ない、放課後にでもタルトを持って出直して…ハッ!」


『どうしたの、デュース。』


デュース「もう予鈴の時間過ぎてるぞ!」


グリム「ふなっ!?2日目から遅刻なんてクソダサいんだゾ!

おいA、急ぐんだぞ〜!」


そもそも今日エースはまともに授業を受けられるのだろうか。

そんな心配をする暇もなく、全速力で校舎に向かった。

…会えなかったな、あの赤髪の人に。

別に、会いたいわけでもなかったけど。

仮面の激情→←下手くそ



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れぃと(プロフ) - 続編移行の部屋がめっちゃ好きッスわwww (2021年8月2日 3時) (レス) id: 40283c6b11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/  
作成日時:2020年12月30日 22時

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