その監督生、よく落ちる。【ツイステ】 (ページ17)

今日:10 hit、昨日:20 hit、合計:101,974 hit

退学免除ページ17

大釜の下敷きになっている化け物に触れ

魔法を発動すると、化け物はその姿を消した。

不思議な、黒い石を残して。

『…やっば…これ、しんど…』

生物の命を奪うのは、他の何を奪うよりもつらい。

心身ともに、とんでもなく疲弊する。

体制が安定しない。

足取りがおぼつかない。

ふらふら、ふらふら。

『…え。』

気づいた時には、片足が地面から離れていて

それにつられるように、体が空中に投げ出されていた。

あぁ、少し崖になってるところから足を踏み外したのか。

冷静に判断できるのは、きっと

落ちることに、慣れているから。

「＿＿！お＿！！」

「だ＿＿う＿！！」

誰、誰の声だろう。

多分、トラッポラとデュースだろうけど。

その中に混じって、別の

ずっと聞きたかった、大嫌いな声が。

＿A！！今助けるから！！

『…おにい……ちゃん…』

体が地面に打ち付けられる感覚が来たと同時に

私の意識は、消えていった。

＿＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿

＿＿

『お兄ちゃん、私ね＿＿』

「A！！」

身が投げ出される感覚。

いつも以上に重力が自分にかかる感覚。

僕に手を伸ばす、大好きだった貴方。

何もかも、記憶の底に封印したい。

＿＿

＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿＿＿＿

グリム「おーい、大丈夫か～？」

デュース「頭を打ってるかもしれないし、やっぱり一度病院に行った方が…」

エース「こんな時間にやってるとこなんかあるわけないでしょ。

やっぱお前、実は馬鹿？」

懐かしい夢を見ていた気がする。

とかいってちょっと憂鬱になりそうだったのに、一瞬で掻き消された。

何してるんだこいつら、というかここはどこだ。

『ん…ぅ…』

エース「あ、起きた。

おはよ、A。まだ夜中だけど。」

デュース「大丈夫か。」

『…退学は…？』

エース「免除になりましたよ～

あの学園長、なぁんにも考えてなかったらしくてさぁ

俺らが魔法石持って帰れると思ってなくて

退学手続き勧めてたんだって！マジありえなくね？」

『…そっか…よかった…ふふっ…』

エース「…！へぇ、お前そんな風に笑えんじゃん。」

話しているうちに意識が鮮明になってきた。

ここは、あのオンボロ寮。

私の現在地は、談話室のソファの上というところだ。

どうやら、あの後倒れていた僕をここまで運んでくれたらしい。

『…迷惑かけて…』

エース「ちーがう。こういう時はごめんじゃなくて…5文字で？」

『…ありがとう…？』

あぁ、今日は疲れたな。