誤解する問題児 ページ14
HIMERUside
目の前で、HIMERUの目を逸らすことなく見つめる少女
他でもない、大嫌いな結城A
この状況でも、彼女は冷静だった
HIMERU「難しくはないでしょう、桜河から離れていただければそれでいいのですから」
『難しいですよ、私友達少ないんで
これ以上少なくなるのはちょっとねぇ
こはっくんがいなくなったら
怒れる相手もいなくなっちゃうし』
あぁ、やはりそうだ
この女は、桜河を傷つけることしかしない
傷つけたくせに、心を粉々に砕いたくせに
へらへらしてんじゃねぇよ、ふざけんな
思わず、結城Aの腕を掴む手に力が入る
『いっ…！？』
HIMERU「ふざけるのも大概にしてください」
『ふざけてなんかない
つか、ふざけてんのはお前だよ
どんな事情があるか知ったこっちゃないけど
こはっくんの意志も聞かずに勝手なこと言ってんなよ』
七種副所長の言っていた、「怒りを忘れた」という言葉
理解した、彼女は自身のために怒ることが出来ない
今だって、桜河のために怒っている
HIMERU「…桜河に確認済みだった場合は？」
『…それなら手を引くよ、こはっくんの意思なら
でも、それは本人に確認する
お前の言うこと、信用する理由もないし』
それでいて、慎重
揺さぶりには動じないか、面倒だ
…それならいっそ、嘘で揺さぶり続けてみよう
HIMERU「そうですか、しかしそれはやめた方がいいですよ
真実を知って傷つくのは貴方です」
『傷ついてもいい、そういうの慣れてるから』
HIMERU「友人を失うこともですか？」
『…それは』
慣れていないだろう
何故なら、彼女は愛される存在だから
人が離れていく辛さを知っているわけが無い
HIMERU「どう思おうが、これは真実です
受け入れるなら、今の方がいいですよ」
『……』
これで、恐らくもういいだろう
この女は、心が強くはない
勝利を確信していると
『…ふふっ…ははっ…！』
突然、結城Aが笑いだした
HIMERU「…何がおかしいのですか」
『HIMERUさん、もしかして嘘苦手？』
HIMERU「HIMERUは嘘などついていません」
『吐いてるよ、ってか嘘しかついてないですよね
だって…貴方は私がきっと嫌いだから』
どういう意味だ、なぜこの女は今笑える
HIMERU「…どういうことです」
『なんとなくわかるんだよ
あぁ、この人私の事嫌いだなって
だから、HIMERUさんのこともすぐに分かりましたよ
だからこそ不思議でした
なんで私が嫌いなはずのHIMERUさんが
私が傷つくことを心配しているのか…ってね』
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れいありす(プロフ) - 更新頑張ってください〜続き気になります！ (2020年9月8日 16時) (
レス) id: 8d837f466b (このIDを非表示/違反報告)
琉葵兎(プロフ) - 燐音の気持ちとは反対の「大嫌い」と言うところで涙腺崩壊しました…すごく素敵な作品で大好きです！！(*´-`) (2020年7月8日 10時) (レス) id: 60230182e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天空の巫女 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/
作成日時：2020年6月29日 0時
