疑心暗鬼少年2 ページ31
ゆうた「ニーズヘッグ…?」
逆先「昔夢ノ咲学院で起きた植物増殖事件の犯人のことだヨ」
ゆうた「なんでニーズヘッグなんですか?」
朔間先輩に電話してくれている逆先さんに問いかける
逆先「三年前にこの学院を森にしやがったっていう奴
植物を使ってこの学院を混乱させたってことデ、皮肉を込めて「世界樹を蝕み嘲笑する虐殺者」の名前で呼んでいるんダ」
ゆうた「そのことについて知ってるんですか?」
逆先「ボクも聞いただけだけどネ
なんでもその植物に触れたラ、死ぬだとか自我が無くなるとカ…」
この夢ノ咲でそんなことがあったとは思えないけど…
逆先「零にいさんにはもう連絡したから、来るまで少し話そうカ
ねぇ、葵ゆうたくん」
ゆうた「何ですか?」
逆先さんは、おれをじっと見つめ
逆先「自分の作った世界の中で、その子を好きになって満足なの?」
ゆうた「…!?」
逆先「ハハッ…その反応ってことは図星みたいだネ
気づいてないとでも思っタ?
ボクは君達が資料室で話していたことを聞いていたんダ
君は「異能力者」っていう単語に一切触れなかっタ」
有島さんすら気づいていなかったことに気づかれている気がする
逆先「普通の人間なラ、それが何なのかぐらいは気になるはずだヨ
君がその「異能力者」じゃなければ、異能力者についてちょっとは彼女に聞くと思ったんだけド」
ゆうた「…あの時は閉じ込められて混乱してて」
逆先「そうなノ?その割には地下書庫に行くための階段に気づいたみたいだったけド」
この人には何を言っても無駄な気がする…
逆先「君はまだ一年生だから、この学院の事についてよく知らなかった
だから、いないはずの老害…天祥院英智や月永センパイまでこの世界に存在させてしまっタ」
ゆうた「…何処まで気づいているんですか」
逆先「ボクが今言ったところまでだヨ
どうしてこんな世界を作ったノ?君は何者なノ?」
ゆうた「…おれは、異能力者ってやつですよ
この世界を作ったのは、さっき逆先さんが言ってたニーズヘッグの事をどうにかするためです
この世界は、ニーズヘッグが三年前に現れているらしくて…元の世界は入学式の日に現れて
成す術なく全員殺されて…その時に気づいたんです。おれが異能力者だって
それで新しい世界を作って、それが今のこの世界です」
逆先「フーン…零にいさんに聞いたって言うのも嘘なんだネ?」
ゆうた「はい…でもこの世界じゃもう駄目なんですよね」
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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/
作成日時:2019年1月1日 14時