仮面なら外して2

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一人一人の名前が呼ばれ、どんどん位置に付いていく。




"続いて2列目…"




そのアナウンスに思わず頭をあげる。




おかしい。





8人いるはずの1期生の名前が、2列目中盤になっても1人も呼ばれない。





"2列目、最後です。







2列目11番






桜井A"








1期生で1番最初に名前を呼ばれたのは自分だった。







2列目、11番 いわゆる裏センターと呼ばれる位置。









会場からは悲鳴に近い声。




でも自分は意外と冷静で、周りを見渡す。




驚いている2期生、3期生、そして初めて目を向けた観客の顔。





そんな中で私以外の1期生は、分かっていたように落ち着いていた。







心は冷静でも、1期生の中で自分だけが理解出来ていないようなこの状況に戸惑い、頭の中が真っ白の状態のまま位置に着く。








次のフロントには全員が1期生で構成されていき、









"1列目 4番センター 高梨みわ！"








最後に呼ばれた親友の名前。







自分がセンターを外れて嬉しいはずなのに、






みわがセンターになったことが嬉しいはずなのに








何故か嫌な予感がして、






自分の感情が分からなくて、目が潤む。









涙がこぼれると思い、顔を上げると、今までのセンターの位置と同じように眩しいくらいのライトが目に入る。







あまりの眩しさに目を瞑った時、ステージ上で初めて自分の前が塞がれ、ライトの光が遮られた。

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