奇跡の少女 3

勝ちたい ページ32

A「優しすぎ…。」





そう言って君は僕に手を伸ばした。







その言葉の意味が分からずに、その小さな手を取り起き上がる。








今はこんなに近くにいるのに


　





将来は国民的ヒロインになると分かっていたはずなのに






こんなにもはやくなるとは思ってもいなくて






何も悪くない君に少し嫉妬した。







でもいつもと変わらない





真っ直ぐな瞳できょとんとしている君を見て不思議と笑みが溢れる。






A「何がおかしいの…！？」






結弦「なんでもないよ笑」






A「ねえゆづくん。私、東北の力になれたかな？1人でも笑顔にできたかな？」









結弦「…当たり前だよ…。凄かった。僕も初めて負けてられないって思った。」






A「ほんと？！ふふ笑 じゃあ、今度はゆづくんだね？」





結弦「当たり前。ロシアは絶対優勝するから！絶対Aには負けない！」





A『あっ、負けず嫌い発動した笑」






結弦「Aだけ良いとこどりは許さない。絶対勝つ。

もういっかい曲かけやるから再生のボタン押してきて。」






A「はーい。」





もうこうなったら誰にも止められない。





そう悟って私は練習を静かに見ていた。

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