天使が世界に舞い降りた日 🍀 ページ4
天使なんていない。神様なんていない。ずっとそんな風に思ってた。
「ねぇ、何してるの？」
学校の屋上の鍵を壊して、今日こそアイツらに復讐してやる。
私をいじめ続けてきたあいつらの前で死んでやる。
そう決意して柵を超える。
ここから1歩踏み出せば私は楽になれる、そしてアイツらには鉄槌が下される。
そんな風に思えば足も竦まなかった。その声が聞こえるまでは。
A「………なんの用」
風になびく金色の傷んだ髪。
マシホ「君こそ何してるの？」
A「………」
答えない私を見てゆっくりと近づいてくる。
マシホ「ねえ、「関係ないでしょ」……まぁ、そうだね」
A「死ぬとこ見たくないなら消えて」
前を見て目を瞑って大きく息を吸う。そのまま目を開いて息を吐くとうざいくらいの真っ青な空が目に入った。
マシホ「そんなこと言われてもねー…
誰かが死ぬとこほっとけるわけないでしょ」
A「は…？」
そんな彼の言葉に驚いて身体がバランスを崩す。
A「あ…」
気づいた時にはもう遅くて、でも必死で柵を掴もうと模索する手をぐいっと掴まれて後ろからお腹にも腕が回される。
一瞬、助かった。そう思った自分がいた。
マシホ「……死ぬの怖いんじゃないのほんとは」
私を助けた手の主はそう私に問いかける。
A「………」
風だけが吹き付ける屋上で私の黒髪と彼の金色の髪が同じ方向になびく。
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作者名：カシューナッツ | 作成日時：2024年3月19日 0時
