フリー ページ18
いつものように黙々とアップを続ける彼女を見ていると
A「美穂子先生?」
とふいに声をかけられる。
美穂子「なあに?」
というと最近は見たことがなかった、柔らかい笑顔でこう宣言した。
A「今日はスケートを楽しんできます。練習は足りないからきっとノーミスではできないけど、今の自分にできる精一杯を表現してきます。」
五輪以来かもしれない彼女のゾーンに入った表情。
美穂子「そうね。」
と笑顔で返すと嬉しそうにまたアップに戻っていった。
昔から彼女が飛び抜けた才能を持っていることは誰の目にも一目瞭然だった。
彼女の滑りには誰もが魅了された。
昔のような強い気持ちに戻っているそう、美穂子は確信した。
最後のポーズをとった彼女の顔は絶望の表情ではなく、少し悔しそうなそして嬉しそうな笑顔が咲き誇っていた。
フリーで1番最初に登場してきたメダリストに
会場は総立ちのスタンディングオベーションだった。
美穂子「本当に良かった。1番の演技よ。」
と出迎える。
キスクラでは穏やかな笑顔で得点発表を待った。
コールされた得点は
135.62
決してものすごく高い得点というわけではない。でも充実感に満ち足りた表情は彼女の復活への予兆だだったのかもしれない。
彼女の最終順位は6位だった。
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翔夏(プロフ) - まちさん» ありがとうございます!気まぐれ更新ですがよろしくお願いします! (2019年4月2日 20時) (レス) id: 5c3465a8f7 (このIDを非表示/違反報告)
まち(プロフ) - あと一歩表彰届かないところがリアルでした!面白いです。続きが気になります。 (2019年3月31日 18時) (レス) id: fade814303 (このIDを非表示/違反報告)
翔夏(プロフ) - かなさん» 先ほど気づいて修正しました。ご指摘ありがとうございました。 (2019年3月4日 23時) (レス) id: 5c3465a8f7 (このIDを非表示/違反報告)
かな - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年3月4日 23時) (レス) id: d5d073bdf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔夏 | 作成日時:2019年3月4日 23時