待つ宵 4

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アサヒ「めっちゃいいですね。これ。」








A「あとは最終の調整するだけかなと思ってます。」






満足気に頷くアサヒさんにそう声をかける。






A「ほんとに楽しかったです。この曲を作ってるとき。新しい道を開拓できたみたいで。…ありがとうございました。









あ、あと、お願いがあります。






………この曲は私が歌ってもいいですか？」







アサヒさんを見つめると真顔が笑顔になって








アサヒ「ふふ笑 もちろんです。









Aさんの想いが詰まってますもんね。」







そして、最後に寂しそうに笑った。











A「…バレました？」







アサヒ「最初のデモとずいぶん歌詞が変わったなと思って笑







でも、こっちの方が好きです、僕。Aさんの気持ちが詰まってて」







最初に出したデモとは全く変えた歌詞。あの一件があってから溢れだしそうな気持ちを全て押し込めてこの歌に込めた。







A「…伝わるといいな」







アサヒ「……絶対伝わりますよ。






何より、僕は2人に幸せでいて欲しいです。」






あえて名前は出さないけれどその2人が指しているのは明確で。








アサヒ「じゃあ、これで終わりですね、作業は。







………ありがとうございました。」








そう言って私に深く頭を下げたアサヒさん。






丁寧だけど、彼らしい淡白な終わり方だな、そう思って私も頭を下げると、













アサヒ「また機会があったらいいですね、














Aヌナ。」







A「え？」





突然のヌナ呼びにびっくりして頭を上げると優しい笑顔で私を見つめるアサヒさん。









嬉しくなって




A「そうだね、アサヒくん。」






と返すと少しびっくりしたような顔をしてはにかんだ笑顔を見せてくれたアサヒくんにちょっぴり胸が高鳴った。

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