待つ宵 4

意外性 ページ14

アサヒ「よろしくお願いします。」





読めない、無表情の彼はやっぱり感情のない顔と声でこっちに挨拶をした。






マネ「たぶん俺らがいるとあれだからちょっと出るね」






A「え？…ちょっと」





なぜか気を遣って出ていった双方のマネージャー。





大きな会議室にたった2人。





え？お見合いかなにか？と突っ込みたくなるほどの気まずい空間に戸惑っていると、部屋に響いた綺麗な声。
















アサヒ「………どんな曲が好きですか？」








初めて話した時に言われた言葉は「音楽が好きですか？」だった。







前に聞かれた時は試されているのだと思った。






自分の音楽を聞かせるのに値する人物なのかを。でも違った。







A「個人的には、j-popみたいな音楽が好きです。




k-popの情熱的な感じもいいけど、j-popの独特のリズムとか音の感じとか、、、私が作る曲にも入れようといつも頑張ってるんですがあまり上手くいったことがなくて。








アサヒさんと作るならj-popとk-popを融合させたような曲を作りたいなって……。」









きっとこれは彼なりの距離の縮め方。人見知りの彼の精一杯の感情表現だと思った。






アサヒ「…………いいですね。そうしましょう笑」







ほらやっぱり。









少し嬉しそうな彼の表情にこっちまで嬉しくなった。

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