待つ宵

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ジフン「ジュンギュが入ったばっかりでまだ右も左も分からない時、




練習でものすごく怒られて、悔しくて練習の時間が終わったあとも自主練してたらしいんだけど






やっと納得できたって思って帰ろうとしたら、来た時には降ってなかった雨が降ってたんだって。





ほら、アイツ人見知りだし、自主練してて夜遅かったし、知り合いもほとんどいなかったし傘貸してくださいって言えずに入口のとこでモジモジしてたらしい笑」





いかにもジュンギュらしくて思わず笑ってしまう。






ジフン「そしたら、Aが会社から出てきて目が合ったんだって。




でもそのままAは傘さして帰っちゃって、そりゃそうだよなって思ったらしいんだよ。」






A「え？じゃあ全然私助けてないじゃん」





ジフン「違うんだよ。お前は戻ってきたんだよ笑





コンビニで傘買って」






A「あっ…」




その言葉でかすかな記憶が蘇る。






ジフン「思い出した？」





私も練習が上手くいかなくて自主練をして、さあ帰ろうという時




会社を出ると雨が降っていて、折り畳み傘持っててよかった〜とほっとしていたら






目が合った男の子。眉毛を下げて困った顔をして雨を見つめていた。






一旦は男子の練習生に関わって良いことはないと思ってそのまま帰ろうとしたがコンビニの前を通ったときたまたま傘が目に入って




なぜかあの困った顔が忘れられずに、気付いたら傘を買っていて気付いたらもと来た道を戻っていた。






戻るとまだ彼はそこにいて、勇気を振り絞って傘を渡した。







少し困惑した顔をして何かを言いかけた彼だけど私は何も聞かずにその場を去った。










ああ、あの男の子はジュンギュだったんだと今更気づく。

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