奇跡の少女

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得点発表もその後のインタビューも頭の中は真っ白だった。



ここまで演技が悪かったことがあっただろうか。



ここまで集中しきれなかったことがあっただろうか。




そのことでいっぱいいっぱいだった。





プロトコルにはマイナスが沢山並んでいて
私が見たときに、電光掲示板には8という数字が名前と共に並んでいた。





いつもは楽しい夕食の時間も、大好きなお風呂も何も楽しくなかった。





いつもはショート後に声をかけてくれるゆづくんも気をつかってか、全く声をかけてこなかった。






考えすぎて全く眠れなかった朝。お母さんに叩き起されて、ぼーっとしたまま会場入り。





何も考えずにジャンプをとんだ瞬間、右足に激痛がはしった。






どうやら捻ったようだった。







大会前に捻るなんて普段なら考えられないほど驚いて状況も把握出来ないくらいになるのに、いつになく冷静な自分が怖かった。




朝の練習は直ぐに切り上げた。
裏にはけるとお母さんが待っていてすぐにテーピングを巻いてくれた。





テーピングによって痛みは緩和されジャンプの着氷は出来そうだった。







でも私は




これで負ける理由ができた。




と思い、内心、安心していた。





もう開放される。



たくさんの期待から。




多くの重圧から。

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