奇跡の少女 2

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解説「歴史が変わるかもしれません！今夜の主役は、佐藤Aでした！14歳の少女の信じられないようなフィギュアの才能に、会場は総立ちのスタンディングオベーションです！」





私は一列目で立って大きく拍手をしているゆづくんを見つけ、ガッツポーズする。





4方向に丁寧に挨拶をして、奈々美先生のところへ戻る。







解説「私たちは彼女を甘く見ていたかもしれません。ジュニアの選手が優勝争いへ食い込めるはずがないと。この緊張感の中で、自分の持てる力すべてを発揮しました。どうでしたか、本田さん！」






本田「いやー、文句のつけようがなかったですね。このフリーで行なったスピン、ステップ、すべてレベル4だったと思いますし、ジャンプもすべてに余裕を持って降りてきていました。いやー、すごかったですね。」





リンクサイドに上がると、




奈々美「すごい良かった！」





とそのまま抱きしめられる。





ハイタッチをして、キスアンドクライに移動する。






解説「笑顔でキスアンドクライです。憧れは同門で同じ、阿部奈々美コーチに師事する、羽生結弦。毎日、彼の背中を追って練習に励んでいます。

さあ、今夜歴史が変わるのか。132.32という数字を覚えてください。この数字を越えれば、佐藤Aの優勝が決まります。



さあ、どうか…」






佐藤さんの得点









134.36(TES76.14 PCS58.22)








A「やったー！！！」






嬉しくて、涙が出てくる私を奈々美先生は横から強く、抱きしめた。






解説「大波乱がおきました！佐藤A！世界女王、浅田真央、安藤美姫を破って、日本の頂点に立ちました！！」








緊張から解放され、とめどなく溢れてくる涙を拭った先にみえたのは、私のバーナーを振っている人、みんなが立って拍手をしていて、驚きの表情があふれている見たこともないような景色だった。

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