奇跡の少女 2

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奈々美「ここはこうで…。」






出来たばかりの振り付けを確認しながら踊ってみる。







自分で選んだ曲ともあってこだわりが強く、何度も先生と確認したり、修正したりしていつもなら3時間ほどで終わる振り入れが5時間もかかってしまった。








これには先生もついに疲れて




奈々美「休憩にするよ。」






と気だるげに一言。






リンクから上がってお茶を飲んでいるとタオルが投げつけられる。




A「うわ！」





結弦「汗ぐらいふけよ笑 風邪ひくよ」





A「投げなくてもいいじゃん…」





そっと小さな声で言ったつもりだったのにばっちり聞こえていたようで





結弦「なんか言った？」





A「何も言ってません…」






ゆづくんは優しい。





口が悪い時もあるけれどそこら辺の男子高校生と変わらない、普通の男の子だ。








結弦「今回はてまどってるんだね、振り付け。」







A「うん。私がリクエストした曲だからこだわりたいの。」







結弦「ふーん。珍しいね。」






いつもだったら奈々美先生の言いなりなのにね笑と言うので、少し睨みながら見上げると走ってそそくさとリンクに入っていく。








今のは絶対わざとだよね。








からかったよね。









私がいつもは適当だっていいたいの？









そう思いながらリンクを見ているとゆづくんが目の前を通って私にあっかんべーとした。









怒ったら負けだ。








よし、無視しよう。

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