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母の涙 ページ3

『おかあさーん!


ただいまー!』




買い物を終えたアスナは、家にいる母にそう言った。




父親は仕事に出ていて、夕方帰ってくる。





そんな時、母親の手伝いをしながら1日を過ごすのがアスナの日常だった。




『…おかあさーん?


どこー?』




リビングから返事が帰ってこなかったため、アスナは少し覗いてみた。





そこには、水の入ったコップを手に持った母が、食卓のイスに座っていた。




母の目には、うっすらと涙が浮かんでいるように見えた。





『お母さん?』




アスナが小さな声で名前を呼ぶと、母親はハッとしたような顔をして、アスナの方を向きなおした。




「おかえりなさい。




いつ帰ってきたの?」






先程の表情とは一変し、いつもの優しい笑顔を見せた母に、アスナはニッコリと笑っていった。







『今帰ってきたところだよ。』








「そう…。




もうすぐお父さんも帰ってくるわ。




夕食の準備をしましょう。」








コップをテーブルにおき、立ち上がった母に、アスナはバスケットを渡した。




「今日はシチューを作りましょうか。」







『あれ?りんごは何に使うの?』







「ふふふ、内緒。」







口元に人差し指を当てて笑う母に疑問を抱き、アスナは首を傾けた。



調理場に立った母の横に、アスナも同じようにして立ち、母の手元が見えるように一生懸命背伸びをした。




それをみて、母は優しく笑っていた。




その目元には、キラキラと雫が光っていたのだった。







窓から差し込む夕日が二人を照らしていた。

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設定タグ:オリジナル , 君という名の星を探して。 , 長編   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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Azaran(プロフ) - わさびさん» ありがとうございます!! (2014年11月26日 18時) (レス) id: 293fabcc71 (このIDを非表示/違反報告)
わさび(プロフ) - Azaranさん» りょーかいです。これからも頑張って下さい、Fightです♪ (2014年11月26日 17時) (レス) id: 7aa4abfcb0 (このIDを非表示/違反報告)
Azaran(プロフ) - わさびさん» ありがとうございます!!これからどんどん展開していくので、良かったら見て下さい!! (2014年11月25日 23時) (レス) id: 293fabcc71 (このIDを非表示/違反報告)
わさび(プロフ) - 面白かったです(笑。続きがとっても気になります。更新、頑張って下さい!! (2014年11月25日 22時) (レス) id: 7aa4abfcb0 (このIDを非表示/違反報告)
Azaran(プロフ) - ☆ちびーず☆さん» ありがとー!!!! 今回はオリジナルやし、ちいも分かる内容やと思う!! 頑張るぜ!! (2014年11月25日 22時) (レス) id: 293fabcc71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Azaran | 作成日時:2014年11月25日 18時

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