義勇さん好きもっと集まれ！義勇さん短編集〜 第２弾

一緒にお風呂に入ってみたら… ページ8

あれ、部活じゃないのかな？

(名前)「義勇さん部活じゃなかったんですか？」

真面目な義勇さんにかぎって部活をさぼるなんて

ことは考えられないしな…。

義勇「昼のが部活に影響したようだ。
　
　 そういえばお前には話していなかったな。」

そう言って右手を見せながら、昼の出来事を教えてくれた。

昼、本を選びに本棚の方へ行った義勇さん。

本棚のすぐ右で、図書委員の男子が

本を整理していると使っていた脚立が倒れてきたらしい。

上の男子も危なかったし、横にいた義勇さんも危なかった。

でも義勇さんはとっさの判断で

倒れそうになる脚立を止めたんだとか。

そして止めた右手(右手首)は腫れあがり、

ひどくなったので保健室…とのこと。

右手をさすりながら教えてくれた義勇さんは少し、

心なしか元気がなかった。

(名前)「義勇さん、今日私ご飯作りに行きますね！

　 治るまでなんでもしますから！」

義勇さんには助けられてばかりだし、

彼女なんだからこれぐらいしたいな。

義勇「あぁ、苦労をかける。」

義勇さんが優しく微笑んだのを見て、

2人でオレンジ色に染められた図書室を後にした。

帰り道、しばらく部活は休むという話や

後輩とその妹の話なんかを聞いた。

(名前)「治るまでは私が家のことしますからね。

　 なんなら泊まりましょうか？」

義勇「あぁ、そうしてくれると嬉しい。」

怪我をした右手とは逆の私の手と繋がれた手が、ギュっと力を強めた。

私たちは家が隣であり、私の家族と義勇さんの家族は仲がいい。

だから昔はよく2人で遊んだものだ。

でもやっぱり、先輩ってわけだから

「さん」も敬語も外さない。

ちなみにここ最近ずっと義勇さんのお父さんとお母さんは

共に海外出張のため、家には誰もいないらしい。

だから今までは義勇さんが自分でご飯も洗濯もしていた。

けど今日からは私が全部やるんだ！

(名前)「じゃあ荷物用意できたらすぐ行きますね！

　 怪我してるんだから無理しちゃダメですよ！」

義勇さんが返事をする前にすぐ隣にある家の

扉を開けて、私は義勇さんの家にお泊りする準備をした。


義勇さんの右手のことと、お泊りのことを

お母さんとお父さんに話して家を出た。

お父さん、めちゃくちゃ動揺してたな…。

お母さん、「頑張って」って言ってくれたな…。

頑張って色んな意味で、だよね!?

私は頭の中で、もわもわと広がる甘い妄想をかき消せないままでいた。

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