義勇さん好きもっと集まれ！義勇さん短編集〜 第２弾

雨が降ったら… ページ4

(名前)「雪の呼吸、伍ノ型 哀惜の泡雪…。」

世界を泡のように儚く消えていく雪が包んだ。

その場にある何よりも幻想的な光景だった。

自分がだせる一番の速さで、

でも首に入る刃は優しく、

大切なものをあつかうように…。

(名前)「次は、次は鬼になんか…ならないで。」

そう願うことしかできない無力な私は、

静かになった血だまりの中で血振りをした。

義勇「……終わったか。」

静寂に響く、青くて低い声。

(名前)「義勇さん…。 えっと…。」

言葉が詰まった、ただ鬼を斬っただけなのに

人を殺したかのような罪悪感があった。

義勇「今日はもう終わりだ、傘を取りに行くぞ。」

先に進む義勇さんの後を私もついていく。

哀惜の泡雪は、水の呼吸の干天の慈雨とよく似ている。

それは元の方が水の呼吸と霞の呼吸だからだ。

けれど他の柱からはあまり気に入られてない技だ。

でも苦しませずに殺せてよかった、と

心では思っている私がいた。


(名前)「あれ、傘が…ない。」

義勇「風で飛んでいったのかもしれん。
　
　 俺のに入るといい、それでは行くぞ。」

(名前)「はい…。え、えっ!?は、はい！」

と勢いで入れてもらったけど、なんか距離近くない!?

義勇「濡れてはいないようだな。

　 どうした、呼吸が荒いし顔も赤いぞ。風邪でもひいたか。」

傘を持った義勇さんは、ズイっと私に近づいた。

(名前)「だ、だ、大丈夫です！お構いなく！」

「そうか」と言うと、また視線を前に戻す。

屋敷まで、もつのかな…。

「ザーーーーーーっ！」

私の荒い呼吸をかき消してくれるかのように、

雨はさっきよりも大粒で勢いを強め始める。

義勇「雨が強くなってきたな。

　 少しどこかで雨宿りしていかないか。」

山は下山したけど、街をぬけたらまた山がある。

無理に帰るのは危ないかもしれないな…。

(名前)「そうですね、そうしましょう。」


「今日は雨が激しいですので、ごゆっくり。」

宿屋の女性が微笑みながらそう言って、部屋を出た。

義勇「二人で一つか…仕方がないな。」

そう、仕方ないのだ。

雨だからこそ今日は宿屋を利用する人が多いのだ。

だから二人の場合は二人部屋を使ってほしいとのこと。
　
(名前)「とりあえず、お風呂…入りましょうか。」

私たちはお風呂、食事、と順調にことを済ませていった。

しかし見て見ぬふりをしていた問題はおとずれた。

(名前)「どうやって、寝ましょうか。」

義勇「……あぁ。」

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