義勇さん好き集まれ！義勇さん短編集〜 第１弾

猫耳と尻尾が生えたら… ページ47

義勇「今帰ったぞ。」

大好きな声が聞こえて、ふわふわの耳が大きく反応した。

まるで主人の帰りを待っていたペットみたいに。

(名前)「義勇さん、お帰りなさい！

　 今日は鮭大根ですよ、それともお風呂先にしますか？」

私は義勇さんが帰ってきた嬉しさで、

生えてきた耳や尻尾のことなんて気にしていなかった。

義勇「！……あぁ。」

そして、義勇さんも気にしていなかった。

ただ『鮭大根』という単語には目を輝かせていた。

先にお風呂を選択した義勇さんは、

羽織を脱いで、お風呂場へ向かっていく。

一人の時間ができて、ようやく耳と尻尾のことを思い出す。

……お風呂あがってからでいいかな。


義勇「今夜は冷える、お前もすぐ入るといい。」

まだ少し濡れた黒髪をタオルで包みながら言う

義勇さんはいつもと変わらなかったが、

視線は私の頭上に釘付けだった。

義勇「ところで、その耳と尻尾はどうした。」

「やっと聞いてくれましたね！」と言わんばかりに、

私は今日任務であったことを話した。

義勇「災難だったところ申し訳ないが、(名前)によく似合っているぞ。」

(名前)「ありがとうございます…、なんか複雑な気持ちですね。」

「うーん…」と思いながらもご飯を口に運ぶ

手は止めずに、義勇さんの今日の任務の話も色々聞いた。

今日は任務の帰りに、鬼の妹を連れた

鬼殺隊員のいる蝶屋敷に行ったんだとか。

私はまだ会ったことがないけれど、

義勇さん曰く「あれは柱になる素質をもっている」と

言っていたので、きっと心も剣士としても強いのだろう。

(名前)/義勇「ごちそうさまでした。」

私がお風呂に入ると言うと、「後片付けは俺がしよう」

と言ってくれるものだから断り切れずお願いした。

耳と尻尾はお湯につけても大丈夫かと

十分に注意しながら温かいお風呂を堪能した。


義勇「その耳と尻尾は本物なのか。」

お風呂上り、少しまだ湿っている耳と尻尾を

見ながら義勇さんがふとそんなことを言った。

(名前)「はい、そうみたいですよ。……。」

すごい、『触りたい』って顔に書いてあるような気がする。

(名前)「えっと、触ってみますか？」

私が義勇さんの隣に腰を下ろしてみると

すぐに耳へ伸びてくる、大きくて少し冷たい手。

少しのぼせてしまっていた私にはその手が

とても気持ち良かった。

義勇さんは撫でる手を止めずに言った。

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