義勇さん好き集まれ！義勇さん短編集〜 第１弾

押し倒してみたら… ページ23

(名前)「はい、是非！ありがとうございます！」

私が元気にそう言うと、「そうかァ。」と

言って足を進めようとしていた。

本当に任務に行く直前でここに来てくれたんだな。

(名前)「不死川さん！あの、ご武運をお祈りします！」

こちらに振り向くこともなく足を進める不死川さんに、

藤の花の家紋の人が言ってくれるのを真似して言った。

するとピタリと立ち止まった不死川さんは、振り向いた。

不死川「お祈りしなくていいぜェ、

　 絶対に帰ってくんだからよォ。」

今、少しだけ笑ったような…。

珍しい不死川さんの笑みを見たところで、

もう不死川さんは義勇さんの屋敷にはいなかった。

そうだ、飲みに誘ってもらったんだ。

準備しよう、とまだ時間には早すぎるのに

私は子供のように心を弾ませて準備をした。


(名前)「それじゃあ行ってきますね！」

不死川さんや宇髄さんには聞いてないけど、

義勇さんも一緒に連れて行こうと思った。

しかし「せっかくの誘い、嬉しいが今日は遠慮しておく。」と

優しく断られてしまったので、名残惜しいが諦めた。

義勇「あぁ、気をつけて行くといい。

　 昼間のように迷子になるかもしれないからな。」

馬鹿にはしていないんだろうけど、なんだか

子供扱いされている気がして少しムっとした。

でも、出掛ける前に交わした口づけから

ちゃんと一人の女性として見てくれているのだと再確認した。


(名前)「如月(名前)、ただいま到着しましたー。」

静かに襖を開いた、そこには見慣れた隊服の2人がいた。

宇髄「おう(名前)、今日は隊服じゃねぇんだな。

　 そっちも派手でいいと思うぜ！」

私が休養中なのを知らないのか、

宇髄さんは私の和装を見るなり褒めてくれた。

不死川「わりぃなァ、先に飲み始めちまった。

　 適当に空いてるところ座れ。」

昼に会った時よりも傷が増えている不死川さんは、

私に祈られなくても命を落としていなかった。

休養中とはいえ鬼が現れたら…と思い、

持ってきていた日輪刀を自分の近くに置いて座った。

3人でこれからの鬼殺隊について話をしたり、

継子の剣術の上達ぶりについて話したりした。

制限なく注がれるお酒は、それぞれの頬をほんのりと赤く染めた。

なんだかだんだん…眠くなってきたかも。

私、結構お酒…強いほうだと思うんだけどな…。

重くなった瞼がついには落ちて、

私の意識はそこで一旦途切れている。

押し倒してみたら…→←押し倒してみたら…

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