義勇さん好き集まれ！義勇さん短編集〜 第１弾

押し倒されてみたら… ページ13

任務が終わり体が重く感じるなか、

ようやく義勇さんの屋敷についた。

(名前)「ただいま帰りました…。」

まぁどうせ義勇さんはいないから

言っても何も返ってこないけどね。

「ガラガラ」

義勇「今帰ったか、大した物ではないが夕餉ができているぞ。」

そう出迎えてくれたのは、会いたかった義勇さんだった。

たった2日ぶりなのに、私には

とても久しぶりに会うように思えた。

(名前)「は、はい！ありがとうございます！」

嬉しい気持ちが抑えられなくて、つい笑みがこぼれる。

大した物じゃない、そう言ったのが嘘みたいに

義勇さんの料理は美味しかった。

私よりも早めに任務が終わった義勇さんは

ご飯だけではなく、お風呂も沸かしてくれていたみたいだ。

(名前)「本当にありがとうございます、

　 本来なら私がやるべきことなんですけど…。」

私が箸をすすめながらそう言うと、

フルフルと首を横に振って口を開いた。

義勇「いつもはお前が全てしてくれるだろう。

　 たまには俺がやってもいいくらいだ、気にするな。」

表情はいつもと何も変わらないけど、

声色はどこか優しさがあるように感じた。

(名前)「お風呂、入ってきますね。」

「あぁ」、そう言って私が食べた食器を

台所へと持っていってくれる。

私はそんな姿を見て、「幸せだな。」と

改めて感じながらお風呂の準備をした。


(名前)「あったまった〜。」

ほかほかとした体に満足感を感じ、

まだしっとりと濡れた髪から滴る水を

首にかかっているタオルがうけとめてくれる。

義勇「今日は冷える、湯冷めには気をつけろ。」

すっかりと片付いた机の前でくつろいでいる

義勇さんは立ち上がって、私の濡れた髪を

タオルでわしゃわしゃと拭いた。

私は犬か何かですか…!?

(名前)「も、もう！髪がぐちゃぐちゃになっちゃいます！」

恥ずかしさとなんだか子供扱いされている気がした

私は、髪をわしゃわしゃと拭く義勇さんの手を気持ち優しくはらった。

義勇「すまない、でも髪は俺が結おう。」

そこじゃないんですけど、

そうツッコミたかったけど私はそれをやめた。

心のどこかで髪を結ってもらうことに

期待をしている自分がいたのかもしれない。

(名前)「わ、私にも結わせてください。

　 義勇さんいつもボサボサだから気になるんです！」

そうして私たちはお互いの髪を結い始めた。

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