＊blackstory＊【黒の組織】 (ページ26)

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黒の組織【26】秘密ページ26

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観察を始めて30分

今分かっていることは、あの女は

先ほど手紙を書いてきたこと、だけだ

その手紙は筆で書いたのか裾や指に墨が付いている

それから見て...この女は人妻だな

「夫が働いているすきに不倫か...」

こりゃあ、夫が働き蜂になっている

可哀想だな...と夫に同情していると喫茶店のドアが開いた

「あ...いらっしゃいませ!」

すかさず声をかけ、お辞儀する

90度のお辞儀のあと、顔を上げてみると

「...久しぶり、バーボン」

一瞬、ドキッと心臓が大きく鳴った

瞳孔は開き、完全に冷や汗ダラダラだ

しかしその顔を見た途端、心臓はいつも通りの鼓動を唱え始める

「セヨン...か」

「一度、バーボンのエプロン姿見たかったから」

“...カッコいいじゃん”と頬を赤めていうセヨン

可愛い

抱きしめたい、と思ったのは秘密にしとこう

「で、僕になんの用だい?」

「別にー、なんも用はないかな」

「...そう、かい。じゃあコーヒーでも」

「ありがと、でも今はいいや。また来るね」

しばらく僕はその場から立ちすくんでいた

理由は...分かるだろう?

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