黒の組織【13】晴天 ページ13
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よほど私の顔が歪んだのが分かったのか、深入りしてこない蘭
「蘭って...優しいんだね」
ぽつりと呟いた一言
その一言は重く沈んでいた空気を取り戻すかの様に生き生きとしていた
「ふふ、Aだって優しいよ?」
気の利かした言葉を選んでくれる蘭って好き
「蘭ってさあ...モテるでしょ?」
何気なく聞いたのに包丁を持つ手が止まったり、分かりやすい反応を示す
「あー、もしかして...図星、とか?」
「そ、そんなこと、な、ないよ..うん、」
「じゃあ、好きな人がいるの?」
蘭の眉毛がピクっと少し反応する
「工藤新一...」
「え?」
「私の好きな人...工藤新一っていうの」
え...うそ。
“工藤新一”は蘭の好きな人?
ハンバーグをこねていた手が思わず止まってしまう
まるで...蘭と一緒みたい
「A、大丈夫?手が止まってるけど..」
まともな返事が出来ない
すると晴天だった空がもくもくと雲がかかり、ザーザー降りになった
まるで、今の私の気分がそのまま現れたみたい
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作者名:音袮 | 作成日時:2013年9月24日 10時