愚図で泥棒で最低なので、今日も悪役を演じます

悪役　拾弐 ページ14

鬼狩Aside

子供はがれきに埋もれていて身動きができていないようだった

それに気づいたのか、鬼が子供に向かった

『させるか！鬼の呼吸 壱の型 禍鬼瞰之！』

ガッと豪快に、でも太刀筋は真っすぐに

鬼の頸が一気に吹き飛んだ

『大丈夫か！？』

「あ、、、はい！」

私は呼吸を整えて、子供の近くからあまり離れずに鬼と戦った

子供には落ち着いて呼吸することを伝え、私は鬼を近づけぬように戦った

ようやっと鬼の数が減り始め、私は刀を振って一体の鬼を薙ぎ払った後

素早く子供を瓦礫の中から引き出した

『走れるな？向こうのほうまで走って、身を潜めてくれ』

「わかりました！」

鬼の注意が子供に向かぬよう、私は思いっきり自分の腕を刀で斬った

血が溢れ、鬼の注意は完全に私に向いた

何故なら私は稀血

しかもかなり数少ない稀血

鬼が目を向けないはずがない

私は一斉に襲い掛かってきた鬼を次々と切り倒した

『鬼の呼吸 参の型 百鬼夜行』

刀をリズムのない複雑な動きで動かし、鬼の頸を一気に狩る

そして最後の一体を斬り終わったとき、背中に鋭い痛みは走った

それは、、、

「私の分までありがと！」

私はその憎たらしい声を聴いて意識を手放した

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