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約束 - 小柳 ページ5

「……なあ」

「ん?」

「……十年くらい前にした約束、覚えてる?」


何をもって俺も思い出したのか。わからないが、ふと、“ある約束”をAとしていたことを思い出した。
それは、もうすぐ中学生になろうとしていた頃、Aが関西に引っ越そうとしていた頃にした、子供らしい小さな約束。
だけど、当時の俺にとっては、絶対に守ると決めた大きな約束だった。




──十年前

「引っ越し……?っいつ、」

「明日。
ごめん、ずっと黙ってて」

「なんで……なんでもっと早くに」

「他の子には、引っ越すことすら言ってない」

「え……」

「……しょうたには、言っとかなきゃって、思って」


衝撃だった。
当時好きだった子が、遠くに引っ越してしまうこと。その事実を、俺にしか言わなかったこと。
頭がついていかなくて、ただ、何か言わないとと思った末に出た言葉が、


「約束させて!」

「え?」

「俺、大人になったら、お前のこと探しに行くから、もし俺が見つけれたら、俺と、付き合ってほしい」

「え、え……!?」


だった。それならもう「好きです」って言えばよかったのに。というか言ったようなもんだ。
でも、Aは驚きながらも頷いてくれた。今考えれば、多分本気にしてなかったんだと思う。幼稚園児が言う「結婚しようね!」みたいなもんだと思ってたんだろう。実際俺も今まで忘れてたわけだし。いつ忘れたんだろう。




「約束……?
あ、もしかしてあれ?私が引っ越すときのやつ?」

「覚えてんの!?」

「自分が言い出したんじゃん!笑
ぼんやりと覚えてるよ。嬉しかったもん」

「あ……そうw」


……いやなんだこれ。ばか恥ずいやん。
っていうか嬉しかったんかい……言えよ!


「でも、本当に果たしたね。約束 笑」

「……結果的にだけどなw」


「俺今思い出したし」と付け加えた。お前は「なんだたまたまかよ〜」と笑ったけど、馬鹿よく考えろ。たとえ約束なんかしてなくても、俺はずっとお前のこと好きだったってことだぞ。
……まあ、くそ恥ずいから言ってやんねえけどな!

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RiA(プロフ) - さささ。さん» わあぁありがとうございます〜!そう言っていただけると励みになります! (2019年4月10日 22時) (レス) id: 03fac5b4f8 (このIDを非表示/違反報告)
さささ。(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます〜!切ないお話も明るいお話もとても素敵です! これからも楽しみにしてます! (2019年4月10日 22時) (レス) id: 1d0b48d693 (このIDを非表示/違反報告)
RiA(プロフ) - りさん» こちらこそありがとうございます〜!ワガママなんてとんでもない!こちらこそ推しとか言いながら本数少なくて申し訳ないです… とりあえず次のお話はともやんで書かせていただきますね! (2019年4月6日 21時) (レス) id: 03fac5b4f8 (このIDを非表示/違反報告)
- コメント失礼します…すごく好きなお話ばっかりで何度も読み返してしまう…!!ともやん推しなのに推し以外のお話もとっても素敵できゅんきゅんします。ありがとうございます…ともやんとのお話がもっと読みたいなぁだなんてワガママでしょうか…? (2019年4月6日 0時) (レス) id: 88a87d53f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RiA | 作成日時:2019年3月12日 18時

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