【歌い手】たんぺんしゅう

るすお ページ28

「はい、」




いつもより低いるすの声。
まだ怒ってる。切られちゃったらどうしよう。





「るす、」




「…A」




「るすあのねごめん違うの、」




「言い訳なんか、聞きたくない」




は、

もう待ってダメキレる






「だから、ごめんって言ってるでしょ！？彼女の話も聞けないの？
　るすがいないと辺りがやけに静かなの！！！またそばで歌ってよ！！！」






あ、キレてしまった
天月さんも電話の向こうも息を飲む音が聞こえた気がする、





「…、しょうがないな待っといてや
　すぐに向かえ行くから。」





なんて格好いい声で電話切りやがって。
まだごめんねもありがとうも聞けてないのに。





「…ぷっ、あはははっ、待ってAちゃん最高…！お腹いたい…っ」




「は、え、」





電話が切れたとたんに大笑いし始める天月さん。
え、めっちゃ笑うやん




「さっきまであんなにしょんぼりしてたのに…っ急にキレないでよ」





「いや、だって…！そんな笑わないでください！」





「あーもう、やっぱ好き」





目尻に溜まった涙を拭いながらさらっと告白(？)してくる。
さっきのこともあるからいつもの軽口なんだって分かる。




「からかわないでくださいよ」





「あれ、言わなかった？
　冗談と嘘は別物だよ？…おっと、彼氏とーじょー」





「Aは俺のもんやから。」





「油断してたら奪いに行くから」





「え、え、」




なにこの少女漫画みたいな展開。
なんでこうなちゃうのーー！！って叫んだ方がいい？ちゃうか



そっと手を握るるす。
その温もりが愛しくて。


いつまでも私の隣はるすでいてね、

そんな本音はまたいつか伝えよう。









_______あたりがやけに静かですね
　 あなたの声が聞きたいです_________

星が綺麗ですね*96猫→←るったん

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