双刃の罪＿。【合作文スト小説】 (ページ9)

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双刃の罪~8.起事~ ページ9

幾日後、ソフィ
*

私達双子が、身を寄せている組合。

私達はその団長を"兄"と慕う。

団長のフランシス兄さん(と私は呼んでいるが)と、
私の妹のフィーは血が繋がっているのか、苗字が一緒だ。

唯、あたしは"フィッツジェラルド"を名乗らないが。
どれだけフィーと彼奴が云おうと、な。

それは兎に角、フィーの消えた組合は皮肉にも静かだった。

"それ"なんかに構える程暇ではないのだ、組合も。
一応、膨大な権力を持つ北米異能者集団だ。

この前、日本のポートマフィアに、70億も掛けて人喰い白虎の捕獲を依頼していたが。

思考しながら廊下を歩いていれば、構成員の一人とすれ違う。

肩にはアライグマ。長く癖があり、すっかり目元を覆う黒髪。
挙動不審な動き。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿組合の設計者長、ポオだ。

伏し目で確認し、普通に通りすぎようとしたら、ポオは書類を落とした。
無論、そっと拾う。

ソ『ポオさん、書類………落ちたよ』

ポ『ソフィ君、すまない』

ポオは素直に受けとる。

ポ『あぁ、ソフィ君、その……フィー君のこと、聞いたのだ。』

ソ『……そうですか。』

フィーは己の記憶を求めて去った。
幼い頃にフィーから聞いたことのある話だと、
フィーの話すそれは日本で、恐らく日本に向かったのだろう。

…それも、あの魔都に。

ポ『やはり、寂しいのであるか?』

ソ『そうでも________ありませんよ』

ニィ、と口角を押し上げる。
事実だ。

ソ『フィーの元に私が居ても、天使の足枷です。』

私は今、どんな顔なのだろうか。

ポオには、この紫の目がどう見える…?

ポ『…そうであるか。________そうだ、ソフィ君を団長が呼んでいた。』

ソ『あぁ、直ぐ向かいます。』

*

相変わらずフィッツジェラルドの話は長い。

半分も聞かず相槌を打つ。

フ『＿＿＿＿＿＿それでだ、ソフィ。

今回の作戦、君は参加してくれるね?』

ソ『善処しましょう、団長。』

フ『良い返事だ。フィーの失踪で沈んで、それどころでないと断られると思ったのでな。』

なあんて皮肉だ、冗談だ、嫌味だ。

まあ、少し前の作戦時では私達は共に居たのだし。
興味もなかったし、な。

さて、きみの元へ往く機会も、義兄上がつくってくれましたよ?

*１ページべろっとソフィ視点でした。
時間軸は４巻あたりで、この団長の云う作戦は、横浜についての奴ですな。