【小説】能力者の通う学園【募集企画】

第24話「能力って疲れる」哥欲祟 ページ24

詩織side


花開院さんの提案で、皆が自分の能力を次々に言い始める

私も言った方がいいかな？
でも喋ると咳が…


さっき黙々と教室に入って本を開いた男の子…

ああいう一人の世界に入ってる人ってなーんかほっとけない

けどあの人も好んで一人でいるんだろうし…



｢げほっげほっ｣

…水だ、水を飲もう

考えすぎると逆に辛くなってくるし


というか、皆すごい面白い能力持ってるね！？

はあ…いつか言う時が来るんだろうけど、言いたくない…


まあしょうがないか

「飛び入りごめんよ笑 じゃあ、次の人どーぞ」

そんな男の人の声が耳に飛び込んできた


…今言ってしまった方が楽だ、言おう


｢はーい！私次言うよ〜…げほっ｣


水水水…飲もう


あ、水が切れた…！
…能力言い終わったら買いに行こう…

｢っはあ、私の能力は念動力！

手を使わずに物を動かしたり、浮かせたりできるよ〜
こーんな感じ…｣


試しに自分の水の切れたペットボトルを浮かせてみせる

｢あんまり使いすぎると疲れちゃうし、今日は体調も悪いからこの辺にするよ｣


それから…とつけ足して、竜牙に目配せする


｢…え、俺！？｣


竜牙は大きな溜息をついてから、目を閉じた

すると、脳内に竜牙の声が伝わる

教室にいる人の大半が驚いたような顔をするけど、私は至って普通
だって知ってるもんね


『俺の能力は今やってるとおりテレパシー能力だ。

こんな感じで俺の声を直接脳内に届けることも出来るし、人の心を読むことも出来る』


｢…わざわざ脳力使って自分の能力を伝えるなんて…げほっ、洒落たことするんだね〜竜牙｣


｢うるせーな

まあ俺は人の心は読まねえし読みたくねえ
自分が考えてることバレるから、とか言って俺に近づかねえのは…よしてくれよ？｣


…出たよ、竜牙の天然寂しがり屋スキル←

イケメンがそんなこと言うとか皆惚れちゃうぞ〜ヒューヒュー←


…しんどい
水を買いに行こう


｢…げほっげほっ…私ちょっと抜けるよ、次の人回しといてね〜｣


そんな私を竜牙は白けた目で見つめてきたが、私はそれほど気にしない



さ、行こう…

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