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テストも終わり、いつも通りの休日。今日は比較的暑くもなく寒くもなく過ごしやすい天気だ。
何もすることがないので、適当に朝ごはんを食べてからこの前のセールで買ったホットケーキミックスでパウンドケーキを作った。チョコレートと抹茶マーブル。冷ましてから切ってみるとマーブル模様もきれいにできていて、結構うまく仕上がった。
よし、早速食べるか。
お茶をコップに注いでケーキを盛り付けていると、家のインターホンが鳴った。珍しい。私の家に来客なんて。宅急便かなぁ。なんて考えながらドアを開ける。
「よっ」
ドアの前で片手を上げている人物。
マッシュヘアーの幼なじみ、拓弥がニカっと笑顔を見せた。
そのまま家に上がってもらい、お茶を出す。
拓弥はそのお茶を飲んでから私のことをじっと見た。
…え、なになに。
不思議に思って首をかしげる。
「甘い匂いする。…なんか作った？」
『あー、多分これかな』
そう言って盛り付けしたパウンドケーキを持っていく。もちろん2人分。
拓弥はおぉー！と驚いてから食っていい？とキラキラした目でこちらを見る。そのつもりで出したのでどうぞと手を出すと、いただきまーすと食べた。
フォークを器用に使って一口大に切ってから食べる拓弥。育ちの良さがわかるなぁ。
頬づえをつきながらその様子を眺める。
「うまいわ」
『そう言ってくれて嬉しい』
本当に美味しそうに食べてくれる拓弥を見てるのは楽しかった。あっという間に拓弥は自分の分を食べたので、私のものも拓弥の前に出す。いいの？と聞く拓弥だけど、食べる気満々なのはわかっているので苦笑いしながらいいよと渡した。
2皿目に突入した拓弥を見ていたけれど、よくよく考えたら拓弥はなんでここにきたんだろう。
『そういえば、どうしたの急に』
「あー、用事があって」
『用事？』
「うん」
フォークを皿の上に置いて拓弥はこちらを見た。
最近になって拓弥は本当に美少年なんだなと思うようになった。長い睫毛に大きい目。小さい顔に厚めの唇。そしてマッチョ。モテる理由がわかってきた。
そんなイケメン(と言われている)人に…
「デートしよ」
…なんて言われたら普通の女の子は卒倒するんだ……え？
『え？拓弥、今なんて？』
「だから、デートしよ」
『誰と誰が？』
「俺とAが」
そう言った幼なじみは楽しそうに笑って、持ってきていた荷物を掲げた。
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作者名：たろたろ。 | 作成日時：2016年7月19日 19時
