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ドアを開けるとカランカランとベルの音が鳴った。その瞬間にふんわりとコーヒーの匂いが漂ってくる。あ、ここ。喫茶店だったんだ。
佑亮くんに連れられて奥へと進んで行く。確かに佑亮くんが言っていた通りとても雰囲気が良い。ゴチャゴチャとしていない店内は、明るすぎず暗すぎず心地よい。お客さんもちらほらいるくらいで落ち着いていた。
お店の中をキョロキョロと見回していると佑亮くんは奥の席へと歩いて行っていた。私もそれについて行く。席に着くといいタイミングで店員さんが……
「やほー、佑亮。来てくれたんだね」
「もちろん！今日は友達ときたよ！」
……やってきた。
随分と気さくな店員さんだな。佑亮くんの言葉に振り返ったその人はとても綺麗なスマイルで丁寧に一礼した。え、もしかしてこの人が知り合いの人？
…初めてみた。金…というよりは白に近い。白金？のような髪の色。それに似合った人懐っこい笑顔。
「Aちゃん！この人が俺の幼なじみの小笠原海！この店の店長さんなの！」
「Aちゃんって言うんだ。よろしくね」
『あ、よろしくお願いします…』
私もつられて一礼する。顔を上げた時に見えた笑顔。目尻にシワがよっていてカッコいいと言うよりも綺麗と言った方がいい人なんだろうなと他人事のように思った。…そして最近の私はイケメンの遭遇率が高い。
「今日は何食べるの？」
「パンケーキ！」
「…何種類かあるんだけど」
「え！ほんとう？」
海さんが出したメニューを佑亮くんと2人で見る。そこにはサラッと書かれた読みやすい字で様々なメニューが。主にスイーツが多いけど、やはり喫茶店なだけあってパスタやサンドウィッチなどの主食メニューもあった。わぁ、結構種類あるんだなぁ。
「Aちゃんは何にする？」
『うーん、私はキャラメルバナナかな』
「んじゃ俺はイチゴチョコにしよっと」
「キャラメルバナナとイチゴチョコね。飲み物はどうする？」
「オレンジジュース！」
『私はミルクティーでお願いします』
「りょーかい」
伝票を書いた海さんは少し待っててね、と言って席を離れた。そういえばこのお店女性客が多い気がする。もう一度店内を見ると、大学生くらいの綺麗な人たちが多い。その目線の先には…海さんがいた。その視線に気が付いたらしい海さんはその方向に向かって手を振っていた。自分がモテてるの分かっているな、この人。
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作者名：たろたろ。 | 作成日時：2016年7月19日 19時
