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そんなこんなで午後の授業が終わり、SHRが終わり。いつのまにか放課後になっていた。
私は帰りの準備。問題の佑亮くんは向こうにいる吉野くんの椅子に座って楽しそうに話していた。…まさか忘れてる?いやいや、それはないだろう。自分から誘ったんだし。
用意も済んだので立ち上がってリュックを背負った。
「あ!用意終わった?」
『え、まぁ…』
「んじゃ行こっか!」
佑亮くんは吉野くんに手を振って私のところへとやって来てそう言った。吉野くんは佑亮くんに手を振った後、私に向かって微笑んでいた。
ーーー…………
「今日はあったかいねぇ」
『まぁね』
「お昼もポカポカだったもんねぇ」
『そうだね』
普通に学校を出て佑亮くんについていくように歩いて来たけれど、ここどこだろう。私が通らない道を進んでいく佑亮くんは楽しそうに私に話しかけていた。
「そういえばさ、Aちゃんって甘いもの好き?」
『好きだけど…』
「ならよかった!今からねパンケーキ食べに行こうと思って!」
『パンケーキ!?』
思っていたよりも食いついた私を見て驚いた顔をした佑亮くん。確かに急に大きい声を出したら誰でも驚くだろう。でもしょうがない。私はパンケーキが好きなのだ。
「うん。知ってる?最近できたパンケーキ屋さん」
『できたの?』
「そうなの!その感じだと知らなかったかな?」
『初めて知りました…』
まさかここらへんに新しいお店ができていたとは。全く知らなかった。
「ならよかった!そこね、俺の知り合いが経営してるお店なんだけど、結構雰囲気もいいからAちゃんも気にいると思う!」
『そんなに言うなら期待するなぁ』
「期待してて!」
そんな会話をしているうちに佑亮くんはどんどん路地を入っていく。こんなところにパンケーキ屋なんであるのだろうか。そんなことを思っていた矢先、佑亮くんはあるお店を指差した。
「ここだよ!パンケーキ屋さん」
じゃーん!と両手を広げて私の方を向いた佑亮くんの後ろにはチョークで書かれた看板。
『……café Sea Blue…?』
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作者名:たろたろ。 | 作成日時:2016年7月19日 19時