無気力少女とゆーすけくん。 (ページ41)

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集合場所の屋上の扉を開けると、コンビニの袋を漁る佑亮くんの姿があった。音で気がついたのかこちらをみてにこにこ笑っていた。よく笑う人だ。

「ちゃんと来てくれたんだね」

『来ないと思った？』

「…ちょっとだけ」

『ひどいなぁ』

毎日やっていた勉強の効果だろうか。本当に佑亮くんとはよく話をするようになった。私からはあまり話さないけれど、佑亮くんの話を聞いて受け答えも続いている気がする。

イケイケ集団に絡まれることがなくなり、随分と人の目が気にならなくなったからかな。…でもそれだけじゃない気がするのだ。なんというか、佑亮くんの性格というか…そんな感じのもののような。
よくわからないけれど。

そんなことを考えながらお弁当を開けてご飯を食べる。佑亮くんは(とても嬉しそうに)スティックパンを食べていた。いつだったか前にも持って来ていたような気がする。

ポカポカ陽気の中なんの会話をせずに空を眺めながらお弁当に手をつける。会話は途中で途切れて自然の音を聞きながらのお昼ご飯となった。

「あのさ、Aちゃん」

『ん？』

「放課後、時間あったりする？」

『……えーと、まぁちょっとなら』

「ほんと！？」

目を輝かせた佑亮くんは立ち上がった。

本当はスーパーで安い商品買いに行こうと思ってたけど、今日はタイムセールもないし昨日の残り物がまだ残っているし行かなくてもいいかなと考えていた。

それにしてもそんなに食いつくなんて。

『どうしたの？』

「…これまでのお礼がしたいの！」

『別にいいのに…』

「やだ！俺はお礼がしたい！だからちょっと付き合って！」

空いてる、と言ってしまったからにはしょうがない。
わかった、と頷くと佑亮くんは元気に今日の放課後一緒に帰ろうね！と笑ってた。

…え、一緒に帰るの？

＊