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「ほら！騒がない！席戻る！」
先生に一喝されてみんな各自席に戻っていく。
佑亮くんも私の隣の席に座り、ニコニコしながらテストを広げて見せた。
丸が多くつけられた紙に大きく書いてある赤い字。
そこには82点と書かれていた。
『よかったね』
小さく、ならない程度に拍手をしてあげると、照れたように頬を染める佑亮くん。
純情ボーイめ。
「ありがと！…Aちゃんのおかげだよ」
そんなことはない。
私は教えてあげただけで、実際に勉強をして点数を確実に伸ばしていったのは佑亮くんだ。
私はそれを手助けしただけに過ぎないから。
そんなことないよ、首を横に振ると「そんなことあるから！」とちょっと怒られた。
…佑亮くん見た目に反して意外と頑固だからそういうことにしておこう。
先生がテストの解説をし始めたので、私も青ペンを持ってその解説を聞こうと前を向くと、机の上に何かが乗っかった。
机の端に置かれたのは小さく折りたたまれた紙。
そこには丸っこい文字で〈開けてね！〉と書かれており、それは私がこれまで毎日のように見ていた字だった。
中を開いて見てみると同じ字で、
〈今日いっしょにお昼食べよ！〉
〈ってか食べてください！〉
と書いてあった。
この紙を置いたであろう隣を見ると片手を鼻ぐらいの高さにしてお願いポーズをしていた。
どうせ私はいつも1人だし、佑亮くんがいいなら気にしない。
首を縦にふると、佑亮くんは口角を上げて口パクで屋上集合ね。と笑っていた。
賑やかなお昼ごはんになりそうだな。
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作者名：たろたろ。 | 作成日時：2016年7月19日 19時
