無気力少女とゆーすけくん。 (ページ34)

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佑亮くんは本当に国語が苦手らしい。

『"羅生門" これは？』

「んとね、…ナントカなまもん！」

『………』

「え、待って待って！最初の漢字なんて読むの？」

『…"ら"』

「んじゃあ "らなまもん" か！」

『………"春はあけぼの" から始まる随筆は？』

「あれだよね！枕に草って書いて、子供の子！」

『読み方は？』

「まくらくさこ！」

…相当なアホらしい。

『これは"らしょうもん"。芥川龍之介が書いたお話。雨宿りしてた若者が死んだ女の人の髪の毛を売ろうとしていたお婆さんの着物を盗んで逃げるの』

「え！髪の毛を売るの！？ハゲてる人のためかな？でも死んじゃった人の髪の毛を売るのはダメだよね…」

『……そしてこっちは"まくらのそうし"。清少納言が書いた随筆』

「"せいしょうなごん"は知ってるよ！」

『漢字かける？』

「うん！」

頷いた佑亮くんはノートに書き出す。

できた！と声をあげて自信満々に私の前にノートを出す佑亮くん。

『………』

「当たった？」

『…生将納言じゃない！ここは"生"じゃなくて"清い"の"清"！"しょう"は"少ない"の方の"少"だから！』

なんでこんなにできないのだ。

数学を教えた時はすらすらと解いたくせに。

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