無気力少女とゆーすけくん。 (ページ32)

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「…よろしく頼む！A！」

『ま、マジですか…』

ここは職員室。私の目の前にはクラスの担任。

手を合わせて私に頭を下げている。

なんで頭を下げているかって？

…理由は簡単だ。

「福田に勉強を教えてやってくれ！」

佑亮くんに勉強を教えて欲しいという話だった。

佑亮くんは本当に勉強ができないらしい。

特に苦手なのは国語。

ほんと、壊滅的らしい。

この前やった国語のミニテストは散々な結果で、このままいくと赤点は確実だと言ってた。

…いったいどんな点数を取ったんだ。

『なんで私なんですか？私以外にも適役多いと思うんですけど…』

「この前、福田に数学の勉強を教えてやったろ？その時のテスト点数よかったんだよ」

『は、はぁ…』

「どっちかっていうと、Aは文系だろ？教え方も上手いから福田に国語の勉強を見てやってほしい！」

だから、頼む！と必死に頭を下げてくる先生を無言で見つめる。

最近になって、やっと普通に佑亮くんに挨拶も返せるようになった。

話しかけられてもちゃんと返事をしている…と思うし、なんとかやれていると思う。

それを先生は見ていたのだろう。

今まで誰とも話さなかった私が佑亮くんと話すようになって、仲がいいと思いこうやって私に頼んでいるんだと思う。

『…わかりました』

ありがとな！と何度も頭をさげる先生は本当に佑亮くんが心配なのだろう。

お礼にと帰り際にパックのジュースをくれた。

私的には佑亮くんはいい人だと思うし、はっきり言ってすごいなって感じてる。

だって私がいくら無視してもめげずに話しかけてきたから。

今、前の事を考えると酷いことしちゃったなと後悔してる。

だから今回協力しようと思ったのだ。

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