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このクラスになってからだいぶ時間が経った。
そわそわしたクラスの雰囲気もなくなり、賑やかな浅野教室。
…なんでそんなに朝から元気なんだろう。
不思議だ。
相変わらず私は教室の窓側の席に1人で座り、スーパーのチラシと手帳を片手に今日の夜ご飯はなににしようか、と考えていた。
…お、今日はバラ肉かぁ。
そういえば確か拓弥ママ今日も遅いって言ってたし、拓弥うちくるかな。それなら買い出し付き合ってもらおうかな。
拓弥にLINEをすることにした。
［今日ママさん遅いなら買い出し手伝って］
［了解］
案の定早く返ってきた返信は絵文字もスタンプもない冷たいものだが、私も人のことは言えない。
久々にLINEの履歴をさかのぼって見てみても、私と拓弥は業務連絡のような会話をして終わっていた。
［よろしくねー］
と返すと、おう。とまたしても短文が返ってきたため、既読をして終わった。
「おっはよー！」
ガラガラと勢いよく開いたドアの前に立っていたのは、クラスの人気者、福田佑亮だった。
「おはよう！佑亮！」
「おーっす！」
クラスで話していた子たちは一気に福田佑亮の方を向いて挨拶を返す。
あっという間に福田佑亮の周りには人が集まって、人だかりができていた。
「おはよ！Aちゃん！」
チラシを眺めているといつの間にか隣の席に来ていた福田佑亮がニコニコ笑顔で私に挨拶をしてきた。
それをガン無視してチラシを見続ける。
「今日はどこのスーパーのチラシですかっ！」
『………』
「おっ！今回はスマイルスーパーじゃないんだね！」
『………』
「バラ肉やっす！ハンバーグ作れるじゃん！」
福田佑亮はいつも私に話しかけてくる。
ほんと、いつも。
わたしが無視しようがお構いなくマシンガントークを繰り出していて、話が絶えないのだ。
私は全く反応しないのに話してて辛くならないのかな？と思うこともある。
横目で福田佑亮を見るとそんなことは微塵も感じさせないくらい、他の人と話しているような時と同じ表情で私を見ていた。
目がばっちりとあって、あわててそらす。
「夜ご飯、ハンバーグよくない？」
さっきより声のトーンが上がった福田佑亮。
夜ご飯ハンバーグか、ありかも。
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作者名：たろたろ。 | 作成日時：2016年7月19日 19時
