無気力少女とゆーすけくん。 (ページ15)

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私の家から学校までは歩くとかなりかかる。

なので私の家の近くに同じ学校に通う人はほとんどいない。

そう、1人を除いて。

立ち止まった私の目の前に来たのは学校モテモテの草川拓弥だった。

『ど、どうしたの』

「…今日、スーパーのタイムセールだろ」

ほら、行くぞと自転車を指し、そのあとは何も言わずに自転車に乗った。

私もいつも通りうん、と返事をして拓弥の後ろに乗った。

この人は私の幼なじみだ。

小さい頃から一緒にいて、家族かってくらい仲がいい。

私が唯一普通に話せる存在。

『私言ってたっけ？今日タイムセールだって…』

「いや、言ってない。家帰って冷蔵庫見たらチラシあったから」

『うん』

「A行くだろうな、なら手伝うかと思って」

『…今日ママさんいないのね』

「うん」

『ってことなので私に夕飯作れと』

「ピンポーン、だいせいかーい」

さすが。と前から笑った声。

そりゃあわかるよ、いつもそーだし。

下り道を走る自転車。風が心地よく頬を撫でる。

拓弥の制服を掴んで背中に顔を寄せると拓弥の匂いがした。…落ち着く。

＊