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学校に着くと案の定入り口前が生徒で溢れかえっていた。…クラス替えの紙が貼ってあるんだと思う。
みんな自分のクラスを確認しているんだろう。当たり前だけどさ。
生徒の人数が多いこの学校はもちろんクラスだって多い。
…先生もこれだけの人が集まるってわかってるんだろうからさ、もう少し考えてクラスの紙を貼ってほしかったなぁ。
あの人混みの中に行くのは嫌なので遠目で様子を眺める。
人間観察をしていると、クラス替えの反応は人それぞれだった。
自分の名前を見つけてそれを友達に教えて、喜んでいたり残念がっていたりと色々な人がいた。…どうせ離れれば他に友達作るのに。その子とは話さなくなっていくのに。
理解ができない。なんで友達が必要なのか。
「うわ〜!人多くない!?」
後ろから驚くぐらい大きな声が聞こえた。
振り返ると黒髪で目が大きい男の子。
…が、私の目の前にいた。
びっくりして数歩後ろに下がる。
…私に言ったんじゃないよね?
気にせずに人混みの方をみようとしたら案の定目があった。
黒髪男子は大きな目をパチクリさせた後、目尻に皺をつくって「ね!」と笑った。
…私に話しかけてたの?
「これじゃあクラス見に行けないよね〜、誰と一緒になれるかなぁ」
『……さぁ?』
よくこの人の行動と言動がいまいちわからない。
…それになんで私の隣に居座っているのだろうか。
どう考えたって私に話しかけてるよね?
一応返事っぽいのはしてみたけれど。
気付かれないくらいに黒髪男子を見ようとしたら、「ゆーすけぇ!」と聞こえた。それと同時に隣が動く気配がした。
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作者名:たろたろ。 | 作成日時:2016年7月19日 19時