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僕はただAを見つめながら
歌った。
一度も目線を離さず。
Aの目はウルウルしていたけど
それでもAだけに
Aだけのために歌った。
歌が終わり、やっとルハンを見る。
ルハンも少し目に涙を溜めながら
優しく。優しく微笑んだ。
僕はルハンには勝てない。
そう思った。
ステージからおりて
体育館の隅っこに立っていると
目の前にAとルハンがあらわれた。
ルハンはまた優しく微笑むと
Aの背中をポンッと押し
来た方の道を歩いて行った。
少しの間流れる沈黙。
XI『A』
僕がAの名前を呼ぶと
突然僕に抱きついた。
久しぶりのAの香りは
ルハンのにおいが少し混ざっていて
なんだか不思議だけど落ち着く
においだった。
『私、、、知らなかった、、、、
オッパ、ごめ、、、』
僕はAのごめんを
自分の声で遮る。
XI『言ったじゃん
"ただ聞いてよ"って
答えなんていらない
僕はAのオッパだから
これからも一緒に登下校しよう
たくさん話そう
可愛い僕の妹。』
そうして少しだけ
抱きしめる力を強めた。
ほんとに答えなんていらないんだ。
今まで言えなかった告白を
ただ聞いて欲しかっただけ。
ただ聞いてよ
ただ、聞いてよ
fin
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作者名：サラン | 作成日時：2015年12月10日 21時
