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枝垂れ桜の舞う下で ページ18

?side

おおっと、話の途中だったな。最近は、意識を保っているのが、辛くてね。
それじゃあ言うよ?

俺たちの決定的欠点は、短命という所だ。

__いや、短命というよりかは、長命だな。

愛する人が見つかって、子を授かるとするだろう?そしたら、神人は光り輝き、空を仰いで消えてゆく。そして、一度天界に帰るのさ。数十年すれば帰ってきて、子の時間も止まる。だから、成長が遅い訳だ。でも、人並みではある。

もし、親が帰ってくるのが遅くても、子は死んだりしない。親の帰りを待つ雛鳥のように。

僕の妻は、その旅の途中に耐えきれなくなって消えてしまったんだよ。
消えたらそこで終わり。人間界に戻ることも許されないんだ。
最後まで耐えることが出来たら、子に会える。そして、幸せに暮らせる。

でも、俺ももう限界だ。この話が終わったら、大人しく妻の元に還るよ。

そして、神人の特徴として、歌が上手いんだ。だから、歌手等は皆、神人。
俺の息子も、確か音楽業界に居たよな。誇らしいもんだ。
あ、補足すると、人間では出来ないような、透き通る美しい声を出すことが出来る。

それが、うちの息子の








________彼方だ。



彼方は、神人の中でも特に歌の上手い部類に入るのさ。

そう言えば、彼方の周りには、神人が沢山集まっていたよね。あの中で消えるのは2組だ。
でも、まだ子供を授かっていない。だから、あと五年は大丈夫。

俺達、神人は何か偉業を成さないと、神人として天界に認めてもらえないんだ。

でも、俺は成す事が出来なかった。だから、消えるんだ。
彼方と、お相手のAさんは、堂々偉業を成したよね。だから、あの二人は消えることはない。

綺麗にそのまま人間界に戻れるだろ___こほっ……あぁ、もう無理みたいだ。

俺から話せることはここまで。彼方によろしく頼むよ。さようなら_____

noside

そ「ね、俺達さ、ここに戻ってくれるかな?」

貴「当たり前じゃん?戻って来れるよ。」

そ「だよね。」

____数ヶ月後


看護師「元気な双子さんですよー!!」

貴「これで、使命は果たされたね。彼方」

そ「心残りは捨ててかなくちゃ。」

貴「それにしても可愛いね!」

そ「そりゃ俺達の子ですから。」

貴「もうwww」

貴「この子達の名前は、お姉ちゃんの方が『夢魅』で、妹ちゃんは『遥葵』だね。」

そ「ふふwwwいい名前だね。…後は…まふに預けるだけ。」

貴「そんなに悲しいんだね。」

そ「うん。」

満月の浮かぶ空に向かって舞い上がれ。→←未知の領域



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作者名:煌樹 | 作成日時:2017年8月8日 21時

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